遠藤裕子(教授)

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修士論文発表会の反省会
(右側手前から4番目が私)

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2015年度前期課程ゼミ生

研究と指導

「日本語」を冠した大学院の課程が初めて日本に誕生した1970年代に日本語教育を志しました。修士課程在学中、地震の専門研修に来日した世界各国の人たちに日本語を教えることから現場での教育をスタートし、日本語学校設立や教材作成、大学での教育、研究など、幅広く日本語教育に携わり現在に至っています。

中心的な研究課題は、語の意味拡張や語と語の関係など意味論の諸問題とその関連領域です。担当している授業科目のうち、2つを紹介します。

「語彙・意味論」では、語の意味分析を日本語教育に応用できるようになることを目指しています。語学学習の初級段階では対訳で理解・記憶する方略が取られることが少なくありませんが、基本語彙の習得には、教師による語の意味の理論的把握と効果的な指導法が欠かせません。授業では、認知意味論の理論、意味分析の方法、資料の扱い等を取り上げ、実際に語の意味の分析を行います。

「日本語教育教材論」では、初級教材の比較分析を通して、言語習得理論・学習者・教師・環境などと教材との関係を検討します。教材作成のスタートは学習者であり、学習者に合わない教材は「いい」教材にはなりません。それは患者と医療・医者の関係に通じる側面があると思います。学生の皆さんには、世の中の変化や学習者の多様化に応じて柔軟に対応できる力を身につけてもらいたいと考えています。

学生

2018年度の在籍者は博士前期課程5名、後期課程3名です。これまで、日本、中国、台湾、韓国、ベトナム、タイ、インド、インドネシアの学生が共に学んできました。

現在、学生が取り組んでいるテーマは、「日中両言語における助数詞の比較と分析-動物類の助数詞を中心に-」「「うまい」と「おいしい」の分析-日本語教育の観点から-」「認知言語学的アプローチによる接続形式テの中核的意味」「「なかなか」を中心とする副詞群の研究」「基本色彩語彙「あか・あお・しろ・くろ」の意味と用法に関する考察 -日タイ語の対照-」などです。過去の論文については「論文タイトル」をご覧ください。

行動的で知的好奇心旺盛な学生を歓迎します。