魅惑のメキシコ:長期留学体験談(2010年度版)
プールの前で 拓殖大学のメキシコ長期研修は、前半がタスコ、後半はメキシコ・シティで実施しています。 8月から10月までを、首都から車で約3時間のところに位置する山間の町、タスコで過ごし、その後、3月までメキシコ首都、メキシコ・シティでたいへん充実した留学生活を送っています。 それでは、2010年度の留学体験談をお届けしましょう。 1.タスコ:町の印象留目和昇さん
タスコの町並み タスコは1日で回れると聞いていましたが、まさにその通りでとても小さい町でした。建物は白一色で統一され、家から見える景色はまるで世界遺産を見ているかのように美しかったです。更に、タスコの町の人々は本当に優しく、顔見知りになると本当に気さくに話しかけてくれました。 稲垣あずささんこのタスコという町は昔スペイン人による支配を受けていた影響が多く、町なみはヨーロッパ風でとてもかわいらしいです。特徴としては、坂が多く、過しやすい気候、そして何もよりも気長でやさしい人々が多いことです。私がこの町で生活を始めた時は、道の複雑さと坂の多さに戸惑いましたが、人の親切さに何度も助けられました。 川手和さんとても小さな街なので1週間もあればタスコ内を回ることが出来ます。また、通りにはメキシコ独特の工芸品や食べ物が沢山売られていて、とても安く手に入れることができます。メキシコ独立記念日はメキシコ人や留学生の友達とパーティを開きました。ソカロという中心地では独特の音楽、バンドによるイベントが開催され沢山の人が集まりました。メキシコ人にとってとても大切なものであり、独立100周年ということで普段以上にとても盛り上がったことだと思います。 2.タスコ:ホームステイの様子留目和昇さんホームステイ先の家族の方も、毎日気に掛けてくれて、病気になれば薬をくれたり、勉強のためにスペイン語を教えてくれたり、メキシコの歴史やタスコの歴史など、様々なことを僕に教えてくれました。 宮野安奈さん
パーティー用ピニャータ 約3ヶ月間お世話になったホームスティ先の家族は、優しく、親切で、スペイン語学習者に大変理解がありました。毎日彼らと会話を交わし、映画を見て一緒に笑ったり、タスコでの充実した生活は彼らのおかげといっても過言ではありません。 日常生活では、洗濯の濯ぎを自分で行わなければならず、いつも約二時間、洗濯にかかりきりでした。度々、私の水の使い過ぎが原因で、貯水槽が空となり、上の階に暮らす一家も含め、半日断水させてしまうことがありました。日本でいかに水を無駄遣いしているか自覚させられたものです。 タスコでの一番の思い出は、ホームスティ先で、息子さんの1歳を迎える誕生日会に参加したことです。屋外の広い会場を借りきって、親類、友人含め30人以上が集まりました。メキシコのパーティにはつきものの、ピニャータ(沢山のお菓子の入ったくす玉)を、子供たちに交じってたたかせてもらいました。 パーティの終盤、断水で迷惑をかけてしまった、上の階の一家とも沢山お話でき、その一家の思春期の娘さんにまつわる悩みを聞きました。(世界中、家族の抱えている問題は同じなのですね。) 3.タスコ:余暇の過ごし方大花夏紀さん授業以外にも、メキシコ人と触れあう機会があったのがサッカーです。毎週2回のメキシコ人とのサッカーはスペイン語を話すいい機会になったと思います。彼らは日本人に興味を持ってくれて、スペイン語も親切に教えてくれました。町で彼らに会うたびに、挨拶をしたり、ちょっとした会話をしたりして、日々楽しい毎日でした。時々、韓国人やアメリカ人の人たちと一緒にFiestaをしたり、遊びにいったりして充実した生活を送ることができました。 玉那覇勇さん学校も人数が少ないので、落ち着いて勉強をすることができました。そこで知り合ったのが、今でも仲良くしている韓国人や、南アフリカ人、そして日本人です。彼らとはよく飲みに行ったり、出かけたりフットサルをしたりしていました。フットサルでは、たくさんのメキシコ人と仲良くなり、毎週火曜日と木曜日には試合をしていました。彼らと交流を深め、帰るときなどは日本語を教えたり、スペイン語を教えてもらったり、授業以外でもスペイン語を学ぶことができました。 山内勇志さん毎週火曜日と木曜日の夜には、町で知り合ったメキシコ人たちと日本VSメキシコでフットサルの試合を行っていました。 時には日本、メキシコ、韓国、南アフリカの混合チームで行ったりしました。勿論終始スペイン語のみで意思疎通を行い、指示を出し合っていました。そこでのメキシコ人若者のスペイン語はとても早口で、慣れるのにかなりの時間が必要でした。スペイン語でのマシンガントークほど、頭が思考停止することはありません。そこで悔しい思いをした分、スペイン語を頑張ろうと思えたことはよかったと思います。 4.タスコ:授業の様子山内勇志さん
クラスメートと メキシコに着いて三日目、一回目の授業が始まりました。クラスメイトは、ドイツ、デンマーク、カリブ、韓国、そして南アフリカという、今までに味わった事のない国際的なクラスでした。留学生専用の教材があり、その問題を解いたり、他の留学生と自分たちの国の文化の違いについて話し合ったりしました。
私たちの学校はCEPE(セペ)と呼ばれ、山を切り崩した中にあり、自然豊かな場所でした。
西公輔さん学校ではいろいろな国籍の留学生とともに授業を受けています。欧米、アジア、アフリカ、中東、南米そしてメキシコと、ほんとにさまざまです。故に彼らの多様な価値観、人生観を肌で感じることができます。まず、彼らを目の前にして、学ぶという意識の違いをとても感じましたね。 授業では4〜5人でグループを組み、スペイン語で自分たちの国のことを紹介したり、討論する機会があります。話の内容が宗教や民族紛争、国際事情などに向いたとき、何も発言できない自分がいました。それに比べ、他の留学生は自分の意見や知識、考えをすべて包み隠さず発言します。 時には「〜に関して、君の国ではどのように捉えているの?」だとか、平気な顔して投げかけてきます。スペイン語を上達させる以前に日本人として、そして留学生としてもっと大事な物を身につけなくてはならないと感じました。 5.タスコ:メキシコ料理体験留目和昇さん
お気に入りのレストラン 更に、タスコで忘れられないのは、Tio Panchitoというレストランです。 大学の目の前に、格安のランチメニューを出しているお店があると聞き、みんなで行くことにしました。出迎えてくれたのは、いかにもメキシコ人というおじさん、すぐに打ち解け、大学での授業が終わると昼食はそこで食べるようになりました。 いつも食べていた日替わりメニューは35ペソ(230円)一律で、内容は様々、たまに店主のラファエルさんが、僕達が食べたいものを作ってくれたりすることもありました。 タコスやグアジャバ(フルーツの一種)、モレ(メキシコのサルサ)など、伝統的な食べ物は大体ここで初めて目にし、そして初めて食べるというのが普通になっていました。そのお陰で、お腹も早めにメキシコ料理に慣れてくれたと今は思っています。 毎日のように通っていたのでラファエルさんとも仲良くなれ、メキシコの文化などを教わりました。 6.タスコ:インターンシップ体験宮野安奈さん
ピラミッドの前で タスコでは、私達の通う学校、CEPE(Centro de Ensenanza para Extranjeros)が今年初めて実施するインターンシップに参加しました。タスコ観光課の方々の協力の元、銀と密接にかかわるタスコの歴史、そしてその歴史を今に残す建造物や観光地を、ガイドの方に解説をしていただきました。 また、日本人向けの観光HP作成のために、スペイン語で表記されている現観光HPの日本語訳を行い、現地のホテルの受付でお手伝もしました。インターンシップを通して、スペイン語学を理解するにおいて重要である、メキシコの歴史や社会、文化背景を学習できたのは、大変有意義なことです。 7.メキシコシティー:町の印象山内勇志さんTaxcoでの楽しい生活はあっという間に過ぎ、私たちはCiudad de Mexico(首都)に移り住みました。道路はきれいに整備されており、バスや地下鉄はとても便利且つ低価でした。例えばMetro busは5ペソ(約35円)でどこにでも行き放題でした。Taxcoと比べると、とてつもなく大きな町で、物や移動の面ではほとんど不自由はありませんでした。 大花夏紀さん10月の後半になり、タスコからメキシコシティへ移動しました。メキシコの中心地だけあって、街や人の様子の違いにはじめは驚きました。タスコとは違い、街は人であふれ、観光客も多く、車の通りも日本のようです。 しかし、シティに来てからは勉強以外にたくさんのメキシコの歴史にふれることができます。今年はメキシコ独立100年、革命200年の記念すべき年なので、祭典もたくさん開催されています。また、街にはテンプロ・マジョールと呼ばれる遺跡や、国立人類学博物館などメキシコに来て、一度は行ってみたい歴史のあるものがたくさんあります。 川手和さんメキシコシティへ移りタスコとは全く違った生活を送っています。周りにはバスや地下鉄、信号があり交通手段がとても便利です。11月中旬にメキシコシティのソカロで開催された光の祭典を見に行きました。とても大きなイベントで独立から現在のメキシコに至る歴史を音楽やダンス、劇で表現したものでした。皆一緒に歌ったり写真を撮ったりソカロ中が人でうめつくされていました。毎日のようにメキシコの文化に触れ毎日とても楽しく沢山の事を学ぶことが出来ています。 8.メキシコシティー:授業の様子山内勇志さん学校での生活はというと、前よりも多い15人で授業を受けていました。生徒たちの出身国というと、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、オーストリア、アルバニア、グルジア、パキスタン、ガーナ、マラウイ、インドネシア、台湾、そして日本でした。かつてない程国際色豊かなクラスとなっていました。産まれた場所も、育ってきた習慣も、使ってきた言語も何もかも違う私たちが、スペイン語を通して感情を伝えることができる。この環境ほど、留学の中で最高な物はないと思います。 宮野安奈さんシティでの授業では、自分の考えを即座にその場で発言する、という機会が格段に増えました。焦り故に、私の発言は支離滅裂になりがちです。しかし、そんな時でも先生はしっかりと私の意見をくんで、沢山の助言をくださいます。 他にも、自国の慣習や抱える問題について発表することも多々あり、改めて日本という国について考えさせられます。「クジラのお肉は美味しいよ。」と私が答えたとき、ヨーロッパ諸国の学生に反論されました。文化って難しい・・・。毎日の授業は、得るものが多く、大変充実しています。 9.メキシコで学んだ教訓宮野安奈さんメキシコ人はみな人情に厚く、世話好きな性格でした。他の国の人たちのスペイン語のように流暢に話せなくても、理解しようとしてくれるばかりか、頼んだこと以上の世話をしてくれました。 有木浩平さん未知の世界では自分一人の力だけではどうしても切り抜けられない場面が多々あります。そんな時のために十分な準備が必要です。それでもトラブルというのは起こるものです。そんな時は友達や現地の人、支えてくれる方々が助けの手を差し伸べてくれます。 宮野安奈さん一方で、留学期間中、全てが順調にいくとは限りません。私は最近、思わぬトラブルにも見舞われました。けれども頭が真っ白なそんな状況の中、しっかりスペイン語を用いて詳細を伝えられたことは、自分の成長を感じることができて、大変うれしく思うのです。 残りの約3カ月、メキシコで一層勉学に励み、そして自分自身を見つめなおしていきます。 |
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