スペインレポート:「地の果て」に到達!
松尾雄一郎 さん
はじめまして。私は現在スペインのサラマンカ大学に留学中のスペイン語学科2年の松尾雄一郎です。今回は休みを利用して旅行したガリシア地方についてレポートしたいと思います。私の大好きなスペイン映画「蝶の舌」の舞台でもあり、自然が豊かで、歴史の重みが伝わってくる地方です。
サンティアゴ・デ・コンポステーラ
ここは9世紀に聖ヤコブの墓が発見され、ヨーロッパ各地から様々な人々が目指すようになった聖なる巡礼地(SANTIAGO DE COMPOSTELA)です。だから、いたるところに巡礼者を見つけることができます。狭い路地の続くこの街は、厳かでとても落ち着いた雰囲気が漂っていました。
巨大なカテドラルの正面は、細かい装飾が数多くほどこされています。そして、近くから見ると、威圧感すら感じられる重厚な建造物です。正面中央の上部にあるヤコブ像は、近くのアラメダ公園からでもはっきり見ることができます。まるで本当にサンティアゴの街を守っている守護聖人のようで印象的でした。内部には、数々の巡礼者が手を触れることで磨り減った柱や聖ヤコブ像など見所がたくさんあります。
フィニステーレ
フィニステーレはサンティアゴ・デ・コンポステーラからバスにゆられて約2時間半の距離にある、綺麗な海に囲まれた田舎町です。日本の観光ガイドブックには端っこのほうに取り上げられることもある小さな町ですが、ここも巡礼者が目指す場所のひとつなのです。
名前の『Fin(終わり)』+『Tierra(陸)』=『Finisterre』が示すように、アメリカ大陸が発見される前は「地の果て」とされていた場所です。せっかくだから世界の端っこに行ってみようという軽い気持ちだったのですが、行って本当によかったです。おそらくガリシアで1番きれいな景色を見ることができたのではと思います。特に巡礼路の0キロ地点から見る水平線は忘れられない景色のひとつです。あまり観光スポットといえるほどのものはありませんが、落ち着いたとても良い町でした。巡礼の装束のまま帰りのバスに乗り込む巡礼者たちもちょっとした見ものでした。
プルポ
ガリシア地方は海に囲まれており、海産物が豊富です。特にガリシアのプルポ(タコ)はスペインで有名です。
私は学生の貧乏旅行だったので、食べ物にはお金をかけないように心がけていたのですが、サラマンカ大学の先生方からすすめられていたプルポだけは食べようと思っていました。
そこで、フィニステーレに1泊した際に漁師のおじさんにおいしいお店を紹介してもらい、行ってきました。
他にえびや貝(アサリ?)もありましたが、やはり私にはタコが1番おいしかったです。
留学先のサラマンカは内陸で、普段は牛や鶏など肉料理中心なので、新鮮なおいしい海の幸を食べることができたのも、この旅での大きな思い出のひとつです。
ガリシア語
実は、スペインには4つの公用語があります。いわゆるスペイン語といわれているカスティージャ語のほかに、バルセロナやバレンシアといったカタルーニャ地方で話されているカタルーニャ語、主にバスク地方で話されているバスク語、そしてこのガリシア地方で話されているガリシア語の4つです。
ガリシア語はカスティージャ語とポルトガル語の混ざったような言語です。例えば主語のyo(私は)はガリシア語でeu。ちなみにポルトガル語もeuです。ガリシア人は学校でカスティージャ語とガリシア語を勉強するそうで、みんなバイリンガルなのだそうです。でも、第1言語はカスティージャ語だそうで、学校に入る前の子どもたちはカスティージャ語しか話せないと、道端で出会ったおじさんが教えてくれました。
あと、驚いたのは「s」の発音がシャ・シュ・ショになっていたことです。街を歩いていたら、前から歩いてきたキャリアウーマン風の女性が「entonces(エントンセス)」を「エントンシェシュ」と発音していたのです。なんだか、日本人の感覚だと小さな子どもが話しているようで、面白かったです。ちなみに写真の「COLEXIO」はカスティージャ語では「COLEGIO(学校)」のことです。
スペインにはとても優しい人たちが多く、スペイン語で聞くと、道でも、おいしいお店でも、なんでも気軽に教えてくれます。ツアーで行くのではなく、仲間と計画を立て、道に迷いながら、その町の人たちとふれあう旅は格別なものがあります。特にスペイン語で話しかけると、すごく喜んでくれます。それがまたスペイン語を勉強するモチベーションにもなるのです。また、時間もたっぷりあるので、観光ガイドブックには載ってないきれいな景色を探しに行くこともできます。
みなさんも、サラマンカ大学に留学して、自分のだけの景色を探してみてはいかがでしょうか?