2007メキシコ・フォトレポート(タスコの銀職人密着取材)
今回のリポーターは、2007年3月メキシコ長期留学から帰国した鈴木拓也君。タスコ市にたくさんある銀職人工房のひとつを訪問したときの体験を報告してくれました。
鈴木 拓也 さん
ゲレロ州タスコ市。メキシコシティーから高速バスで二時間半。メキシコシティーに比べ、交通の便も悪く、スーパーも無い、信号も無い、横断歩道も無い、そんな田舎町ですが、ここに住む人々、コロニアル調の町の雰囲気は来る人を惹きつけます。僕もその魅力にやられてしまった1人で、最後の留学コース選択で、また戻って来てしまいました。
ゲレロ州タスコ市
メキシコは銀鉱山の多い国です。その中でも歴史が古く、もっとも栄えた街タスコは国内のみならず、海外からも観光や買い付けに訪れる人が絶えない「銀の町」として知られています。人口10万人ほどの小都市ですが、三分の一の人々が何らかの形で銀に関わっているのだそうです。今日は、そんなタスコの銀職人工房を紹介します。
銀職人工房
今回は、タスコに生まれ、15歳(!)から職人として働いているパンチョさん(33歳)の自宅工房にお邪魔しました。ここで朝から夜まで黙々と彫金作業に取り組んでいます。ちなみに上の写真はその工房からの眺め。毎日この絶景を眺めながらの作業、うらやましいかぎりです。
銀細工道具
銀板を、ヤスリ、金槌、糸のこぎりなどの工具を使い、少しずつ形作っていきます。銀を溶かし、伸ばして、板状にし、形を作り、石をはめたり、刻印を入れたり・・・。こんな地道で単純な作業を繰り返すことによって、タスコのすばらしい銀細工製品が生まれるのです。
研磨作業
アクセサリーを作るうえでの最終段階、研磨作業中のパンチョさん。それまでアルミのようだった銀がこの作業を終えるとピカピカの宝飾品に。むらが出ないように均等に磨き、鏡面のように仕上げるのがコツだそうです。
パンチョさんの作品
一日がかりで作ったターコイズ、サンゴ礁いりのバングル。苦労したのは、小さな石の組み合わせでなかなか埋まらなかったときだそうです。パズルをやっているようなものだよ、とパンチョさんは言っていました。
このようにタスコには素晴らしい腕を持った銀職人たちが多くいます。彼等は己の技を磨き、それを仲間と競い、協力しあいながら過ごしているのです。