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メキシコ長期研修の思い出

山崎 祐さん

 私が、4年間の大学生活の中で一番楽しく充実して過ごせたのは、メキシコ長期研修でした。その約7ヶ月間で勉強の面でも人間的にも一番成長できたと思います。しかし、人に接するのが苦手だったので、最初は不安でいっぱいでした。また、自分のスペイン語力にも自信がなく、7ヶ月もやっていけるだろうかと心配ばかりしていました。けれども、自分を成長させる大きなチャンスだと言い聞かせながらメキシコへ向かいました。
 
 メキシコでの生活は、そんな心配を忘れてしまうほど楽しくて有意義なものでした。最初に驚いたのは洗濯石を使っての洗濯でした。洗濯機がないとは想像もしていなかったので、本当にビックリしました。しかし、初めての手洗いの洗濯は新鮮で良い経験になりました。食事も自炊だったので、毎日何を作ろうか考えながら市場で買い物したり、たまには外食したりして楽しみました。メキシコの市場ではだいたい値切って安く買えるので、買い物の交渉の会話がだんだん上達していきました。特に思い出に残っているのは、肉屋の兄ちゃんと仲良くなったことです。彼はメキシコ人の中でも特に気さくで、いつも冗談を言って、笑わせてくれました。日本みたいにキレイに肉が並んでいるわけでも、値段が決まっているわけでもなく、ただ肉の塊が吊るしてあって欲しい肉の種類と量を言ってその場で切り分けて買うというスタイルでした。そんな生活を続けているうちに自然と話したり聴いたり出来るようになり、ちょっとやそっとのことでは驚かないくらいにたくましくなれたと思います。

 学校の勉強は、毎日朝9時から12時に必修の授業があり、午後から選択の授業を取ることができました。12人前後の少人数での授業で、文法・作文・講読・リスニングといった勉強をしました。とにかく自分の意見を持って、それをゆっくりでもいいからはっきりと伝えれば、先生も他の生徒もその意見を尊重してくれるのでした。変に気を使う必要がなく、発言しやすい雰囲気ができていることが素晴らしいと思いました。天気の良い日には中庭で授業をすることもありました。友達とカフェで宿題をしたり、家でパーティーを開いたり、グチを言い合ったりして、友達の絆を強めることもできました。文化も育った環境も違う人が集まって勉強すると、多種多様な見方を知ることができるので、広い視野で物事を考えられるように成長できたと思います。この7ヶ月間は今までの人生の中でもかなり濃厚な有意義な時間でした。自分を変えるきっかけとなったメキシコ長期留学の体験は、一生忘れられない私の思い出になっています。

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