HOME外国語学部スペイン語学科卒業後の進路

海外で活躍した・している卒業生

2005年卒業 通訳(メキシコ):後藤拓巳さん

通訳として心がけていること

 僕はメキシコのケレタロというところにある自動車部品工場で通訳として働いています。きっかけは大学で勉強したスペイン語をどうしても続けたかったからで、スペインで新卒の仕事がなかったのでメキシコで探しました。

  僕が仕事で最も苦労し、そして何よりも重視していることは通訳としての信頼性を高めることです。とくに、ミスコミュニケーション(通訳ミス)の徹底的排除、秘密の厳守、自分の感情を入れないこと、この3点には細心の注意を払っています。

  ミスコミュニケーションがあると、必要のない争いが生じ、職場環境が険悪な雰囲気になってしまいます。通訳に対する信頼も失われ、最悪の場合、仕事がなくなってしまいます。そこで、通訳ミスを避けるため、常にノートとペンを持ってキーポイントをメモすることを心掛けています。疑問や曖昧な点に関しては、通訳する前に、自分の言葉で伝えたいことが正しいかの内容の確認も不可欠です。それにより通訳としての立場を守れるうえ、信頼性も高まります。

 秘密の厳守というのは、重役会議などで話し合われる内容、給料、人の評価、会社の経営面などを絶対に他言しないことです。これも信頼関係に繋がります。

 意外に難しいことが自分の感情を入れないことです。とくに仕事の内容が分かってくると、こっちのほうがいいだろう、と自分の意見も出てきます。また個人的な好みで通訳の内容を操作することさえできてしまいます。したがって自分の意見と上司の意見はいつもはっきり分けておかなければいけません。現地の人の中には、通訳を利用して日本人に自分を高く売ろうと、通訳におべっかを使う人も時にはいます。上司の通訳をしていると、自分まで権力を得たような錯覚をしないとも限りませんので、絶えず自分を戒め、誰に対しても誠実に接するように努めています。

 通訳として、僕は最初、サッカー元日本代表トルシエ監督の通訳を目標にしていました。つまり監督が怒鳴れば通訳も怒鳴る、笑えば笑う、といった一心同体の通訳です。しかし、感情を爆発させると、相手は心を閉ざしてしまうので、感情が衝突するような場面では、できるだけ冷静に分かりやすく説明するように努めています。通訳の仕事で最も大切なことは効果的に意図を伝えることだからです。

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