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研究室のドアを開けば、そこは魅惑のメキシコ

伊本 慧さん

 八王子キャンパス研究党5階にあるヘオルヒーナ先生の研究室は、学内で最もラテンアメリカの雰囲気を体験できる場所です。所狭しと並ぶ人形や不思議な置物、聞き慣れないリズムで鳴り響く音楽・・・一歩入ればそこはまるで、先生のふるさとメキシコの小さな街のよう。

 毎週水曜日の昼休みは、ここでスペイン語の会話サロンが開かれます。陽気でおもしろい先生とお喋りするために、たくさんの生徒が集まってきて、研究室はあっという間にぎゅうぎゅう詰めになってしまいます。覚えたての単語を駆使して奮闘する一年生、スペイン語ペラペラの四年生、空手チャンピオン、第二外国語でスペイン語を勉強する他学部の中国人学生と、やってくる生徒も実に様々で、みんなここでなければ出会えなかったような仲間たちばかりです。

 会話サロンの時間は基本的に日本語でのお喋りは禁止です。先生は、みんなの会話を少しでも助けるため、テーマや会話によく出てくる表現を書いた紙を用意してくれるのですが、大抵は使わずに終わってしまいます。みんなが夢中になって話して、会話が途切れることがないからです。いつも冗談が飛び交って笑い声が絶えない、リラックスした雰囲気の中で、日常会話の練習をすることができます。

 ヘオルヒーナ先生は、スペイン語だけではなく、祖国メキシコやラテンアメリカの文化についても教えてくれます。11月1日と2日、メキシコでは「死者の日」という日本のお盆に似た行事が行われます。私は、その日のために、死者に捧げる祭壇を研究室に作るお手伝いをしました。メキシコの死者の日は、日本のお盆と違い、お墓のまわりで一晩中お酒を飲んで歌い踊る、にぎやかなお祭りです。私はそれまで、死者を思い出すこの日を、メキシコの人たちがどうしてこんなにも明るく迎えるのか、不思議に思っていました。しかし、祭壇を作りながら先生の話を聞いているうちに、私の考えは変わりました。大切な自分の先祖を陽気に楽しく家に招き入れようとするのは、ごく自然なことだと思うようになり、ほんの少しメキシコ人の気持ちを理解できたような気がしました。

 また、12月20日には、会話サロンに来ているみんなでクリスマスパーティーをしました。先生手作りのメキシコのデザートを食べながら、大勢でスペイン語のクリスマスキャロルを歌って、とても楽しい一日になりました。

 このように、ヘオルヒーナ先生のスペイン語会話サロンでは、机に向かって勉強しているだけでは知ることのできない文化や習慣を、身をもって体験することができます。また、先生の人柄に惹かれてやって来た人たちと、スペイン語でのおしゃべりを通じて仲良くなっていくのは、とてもすてきなことです。 今までメキシコに興味がなかった人も、まだスペイン語に自信がない人も、ぜひ一度来てみて下さい。


■写 真
(上)スペイン語会話サロンのクリスマスパーティーに集まった仲間集合写真
(中)スペイン語会話サロンのクリスマスパーティーにて
(下)ヘオルヒーナ先生の研究室の中にみんなで苦労して作り上げた「死者の日」の祭壇

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