カリキュラム 2017

講義時間:19:00~20:30

第1講 4月17日(月) 【開講式・オリエンテーション】

先が「読めない」時代を「読み解く」ために

講師

渡辺 利夫 アジア塾長・拓殖大学学事顧問

講義要旨

「不気味な時代」「超不透明な時代」「迷える世界」─メディアでは最近こんな言葉をよく目にします。アジアのみならず、世界各地で対立と混乱が広がり、先が読めない時代の渦中に私たちは投げ込まれてしまったかのようです。この歴史の大きな転換点をいかに読み解き、先を見通していくか。そのためには、まず自分を徹底的によく知ることが前提条件です。日本は他国と異なるどんな文明を持った国なのかについて、まず塾長の渡辺利夫が話します。

第2講 4月24日(月)

トランプ政権でアメリカと世界はどう変わるか?

講師

川上 高司 海外事情研究所長・教授
大阪大学博士(国際公共政策)。フレッチャースクール外交政策研究所研究員、(財)世界平和研究所研究員、防衛庁防衛研究所主任研究官、北陸大学法学部教授等を歴任。現在、NPO法人外交政策センター(FPC)代表、日本国際フォーラム政策委員、TBSニュースの視点特別解説委員などを兼務する。アメリカの政治・安全保障政策、日米関係、国際関係理論が専門。主著に『無極化時代の日米同盟』(ミネルヴァ書房)、『アメリカ世界を読む』(創世社)、『国際秩序の解体と統合』(東洋経済新報社)などがある。

講義要旨

アメリカのトランプ政権は、"ひとつの中国"政策の見直しを始めとする強硬な対中政策を打ち出しつつあります。その一方で、ロシアには接近を試み、日本などの同盟国には応分の負担を求めています。トランプ政権はいったいアメリカと世界をどのように変えていこうとしているのか。テレビでもおなじみの川上高司が最新の情勢を分析します。

第3講 5月8日(月)

中国はトランプといかに向き合うか?

講師

茅原 郁生 拓殖大学名誉教授
1962年防衛大学校卒業後、陸上自衛隊に入隊。戦略情報幕僚、連隊長、師団幕僚長などの後に防衛研究所で研究職へ転官(元陸将補)、アジア研究室長、研究部長を経て1999年退職、この間外務省アジア局中国課出向、ロンドン大学客員研究員、山梨学院大学講師 などを兼任。同年、拓殖大学国際開発学部(現・国際学部)教授に就任。学科長、学生センター長、大学院教授など兼任、2009年定年退職、同名誉教授に。2012年 『中国軍事大国の原点鄧小平軍事改革の研究』(蒼蒼社)でアジア太平洋賞受賞。外に『中国軍事論』(芦書房、1994年) を始め、編著を含め11冊の著作。

講義要旨

トランプ政権の登場によって、米中関係は対立の度合いをいっそう深めています。「これまでの外交常識が通用しない」と評されるアメリカの新政権に、中国はいかに対応していくのか。そして、日本は不測の事態にどう備えるべきなのか。中国軍事問題の専門家として内外で高い評価を得ている本学名誉教授・茅原郁生が解説します。

第4講 5月15日(月)

竹島・尖閣・北方四島、領土問題の本質とは何か?

講師

下條 正男 国際学部教授
國學院大学大学院博士課程を終了。韓国の三星総合研修院主任講師、仁川大学校客員教授を経て、1999年、拓殖大学国際開発研究所教授、2000年、同大国際学部教授。2011年7月31日、竹島調査のために鬱陵島視察の予定で訪韓しようとしたが、仁川空港で入国を拒否される。主著に、『日韓・歴史克服への道』(展転社)』、『竹島は日韓どちらのものか』(文春新書)、『「竹島」その歴史と領土問題』( 竹島・北方領土返還要求運動島根県民会議)などがある。

講義要旨

日韓・日中・日ロ、それぞれの一筋縄にはいかない関係を最も端的に現しているのが領土問題ではないでしょうか。しかし、見方を変えれば、隣国との関係をどのように構築していくのか、この普遍的なテーマを考える上での格好のテキストとも言えます。竹島をめぐる緻密な論考で知られる下條正男が、領土問題の本質に迫ります。

第5講 5月22日(月)

"フィリピンのトランプ"はなぜ「支持率8 割」なのか?

講師

野村 進 国際学部教授・ジャーナリスト
上智大学外国語学部英語学科中退。1978年? 80年、フィリピンのアテネオ・デ・マニラ大学に留学。アジア・太平洋地域、先端医療、メディア、事件、人物・企業論などの分野で取材と執筆を続けてきた。『コリアン世界の旅』(講談社文庫)で大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞をダブル受賞。『アジア 新しい物語』(文春文庫)でアジア太平洋賞を受賞。朝日新聞、読売新聞の書評委員を歴任。現在、講談社ノンフィクション賞選考委員。近著に『解放老人』(講談社)がある。

講義要旨

フィリピンのドゥテルテ大統領は、"麻薬戦争"で注目を浴びていますが、外交面でも"常識破り"を続けています。「東南アジア最大の親米国」の指導者でありながら、オバマ前大統領をののしり、領海紛争をかかえる中国に接近しています。フィリピンと40 年近く関わってきた野村進が、ドゥテルテの不可解な言動と人気の秘密を解き明かします。

第6講 5月29日(月)

韓国は"永遠の反日国"なのか?

講師

呉 善花 国際学部教授
東京外国語大学大学院修士課程修了。国際学修士。執筆活動のかたわら、新潟産業大学非常勤講師、拓殖大学国際日本文化研究所客員教授を経て拓殖大学国際学部教授。山本七平賞(PHP研究所)受賞。近著に『「反日韓国」の苦悩』(PHP研究所)、『呆れた哀れな隣人・韓国』(ワック、加瀬英明氏との共著)がある。

講義要旨

2015 年末に「最終的かつ不可逆的」に解決されたはずの慰安婦問題を、韓国はまたしても蒸し返し、日韓関係は険悪な状況に逆戻りしてしまいました。日米が「広島」と「真珠湾」で見せたような和解の日は、日韓には訪れないのでしょうか。明らかに自国の利益をそこなってまで"反日"をつらぬく韓国への向き合い方を、呉善花が論じます。

第7講 6月5日(月)

先が「読めない」アジアで日本企業はどう展開していくのか?

講師

椎野 幸平 国際学部准教授
明治大学経営学部卒業、青山学院大学国際政治経済学部修士課程修了(国際経済学)。1994年ジェトロ入会、国際開発センター(IDCJ)開発エコノミストコース修了、ジェトロ・ニューデリー、海外調査部国際経済課課長代理、ジェトロ・シンガポール次長(調査担当)、海外調査部国際経済課長を経て、2017年4月より現職。「アジア製造業クラスター~アジアで生まれる新たな産業集積~」『経済セミナー8・9月号』日本評論社・2015年7月、『ジェトロ世界貿易投資報告2015年版(総論編)』(共著)、『ジェトロ世界貿易投資報告2016年版(総論編)』(共著)などがある。

講義要旨

アジア経済の見取り図も大きく変わろうとしています。中国は長期的な停滞を余儀なくされそうです。急成長を続けてきたインドは踊り場に差しかかり、シンガポールを先頭に豊かさに向かって邁進してきた東南アジアも曲がり角をむかえています。ジェトロ(日本貿易振興機構)の調査員としてインドやシンガポールでの豊富な経験を持つ椎野幸平が、アジアでの日本企業の展開を読み解きます。

第8講 6月12日(月)

"排外ナショナリズム"の現状とその行方

講師

安田 浩一 ジャーナリスト
1964年生まれ。『週刊宝石』(光文社)、『サンデー毎日』(毎日新聞出版)記者などを経て2001年よりフリーに。著書に『ルポ 差別と貧困の外国人労働者』(光文社新書)、『ネット私刑』(扶桑社)など多数。12年『ネットと愛国』(講談社)で講談社ノンフィクション賞を受賞。15年『G2』(講談社)掲載記事の『外国人隷属労働者』で大宅壮一ノンフィクション賞(雑誌部門)受賞。

講義要旨

アメリカでは、他の国民や宗教に対し、いわば"ヘイト・スピーチ"を繰り返してきた人物が大統領に就任しました。こうした風潮は、難民問題をかかえるヨーロッパにも急速に広まりつつあります。ベストセラー『ネットと愛国』の著者で大宅賞作家の安田浩一が、日本での"排外ナショナリズム"を中心に、その現状と今後を語ります。

第9講 6月19日(月)

北朝鮮の核開発は本当に阻止できるのか?

講師

荒木 和博 海外事情研究所教授
慶應義塾大学法学部政治学科卒業。特定失踪者問題調査会代表、民社人権会議幹事、国家基本問題研究所副評議員長、予備陸曹長、予備役ブルーリボンの会代表などをつとめる。主著に『拉致 異常な国家の本質』(勉誠出版)、 『日本が拉致問題を解決できない本当の理由(わけ)』(草思社)、『なぜ北朝鮮は崩壊しなかったのか―日本の鏡としての北朝鮮』(光人社)、『北朝鮮拉致と「特定失踪者」』(展伝社)などがある。

講義要旨

アメリカのオバマ政権が手をこまねいているうちに、北朝鮮の核開発は着々と進んでしまいました。しかし、トランプ政権による対抗措置で、事態は新たな局面をむかえています。北朝鮮の核脅威は、今度こそ取り除かれるのか。そして、拉致被害者は無事に救出されるのか。この問題に長年とりくんできた荒木和博が、具体的に論じます。

第10講 6月26日(月)

台湾と"ひとつの中国"見直し論

講師

澁谷 司 海外事情研究所教授
東京外国語大学中国語学科卒業。東京外国語大学大学院地域研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学講師などを歴任。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。2004-05年、台湾の明道管理学院(現、明道大学)で教鞭を取る。専門は現代中国政治、現代台湾政治、中台関係論、東アジア国際関係論。著書に『戦略を持たない日本』・『中国高官が祖国を捨てる日』・『人が死滅する中国汚染大陸』(経済界)がある。

講義要旨

トランプ政権による"ひとつの中国"見直しの気運は、台湾に希望と懸念の両方をもたらしています。台湾が、中国からの軍事的脅威にさらされながらも、国際的な地位を今後さらに高めていけるのか。日本と台湾との関係はどうなっていくのか。台湾研究のエキスパートとして知られる澁谷司が、わかりやすく解説します。

第11講 7月3日(月)

"米中対立の時代にロシアはどう動くか?

講師

名越 健郎 海外事情研究所教授
東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社後、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局を経て、外信部長をつとめる。主著に『独裁者プーチン』(文春新書)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)などがある。

講義要旨

トランプ大統領の誕生に、ロシアは"サイバー攻撃"で一役買ったと、オバマ前大統領は非難しました。その真偽はさておき、トランプとプーチンの両大統領は、いかなる米ロ関係を構築しようとしているのか。日ロ間の平和条約締結や北方領土問題はどうなるのか。元時事通信モスクワ支局長の名越健郎が、最新の情報を基に分析します。

第12講 7月10日(月)

中国の習近平政権は今後どうなっていくのか?

講師

富坂 聡 海外事情研究所教授
北京大学中文系留学後、週刊ポストや週刊文春の記者を経て、フリーランスのジャーナリストに。中国国内の独自のネットワークを駆使したレポートに定評がある。1994年、『龍の伝人たち』(小学館)で21世紀国際ノンフィクション大賞(現・小学館ノンフィクション大賞)優秀賞を受賞。2014年より拓殖大学海外事情研究所教授。新刊に『トランプvs習近平そして激変を勝ち抜く日本』(KADOKAWA)がある。

講義要旨

トランプ政権による相次ぐ強硬策をきっかけに、米中対立は抜き差しならない状況に陥りつつあります。国内経済の停滞も相まって、今秋ひらかれる5 年に一度の中国共産党大会では、習近平体制がどうなるかが注目されます。その結果次第では、日中関係にも大きな変化が生じそうです。テレビでもおなじみの富坂聡が、激動する中国情勢を報告します。

第13講 7月15日(土)

シンポジウム・パネルディスカッション

「先が『読めない』アジアを『読み解く』」

パネリスト

  • 渡辺 利夫(アジア塾長、拓殖大学学事顧問)
  • 川上 高司(海外事情研究所長・教授)
  • 富坂  聡(海外事情研究所教授)

司 会

野村  進(国際学部教授・ジャーナリスト)

要旨

「先が『読めない』アジアを『読み解く』」の総合テーマを中心に、3 人の論客が縦横に語ります。アジア塾長・渡辺利夫は、わが国のアジア研究をリードしてきた経済学者で、川上高司・富坂聡の両教授は、それぞれ日米安全保障と中国研究のスペシャリストです。3 人の報告と分析のあと、アジア塾委員長・野村進の司会で議論を進めます。

●講師の所属・職名は、2017年1月現在のものです。

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