八王子キャンパスにて開講

教育・発達心理学

Educational-Developmental Psychology
KIMURA, Naoto
 

■授業の目標・内容

 教職免許状を取得しようとする人を対象としています。したがって、私にとっては教授目標が、受講生にとっては学習目標がはっきりしています。この講義では教育に関する心理学からの知見を紹介し、必要な知識の習得と人間についての理解を深めることを目的とします。

 「教育」というよりは「学習、学ぶ」ことの理解とそれを行う人間(児童、生徒、学生そして教師)の理解を目指した講義にしたいと考えています。

■授業計画

〔前期〕

1ガイダンス:講義についてその性格、概要、および評価方法と昨年度の結果、勉強の方法などを説明します。一年間の講義でどのようなトピックスをとりあげるかを概観します。
2自発的行動と動機づけ:ヒトの行動の多くは反射や本能的行動ではなく自発的行動なので、なぜそのように振る舞うかを理解するために、動機づけという仕組を考える必要があります。
3動機の分類:私たちの動因(動機)の分類を試みます。また、どれにも分類できないような動因の数々にもふれます。また、動因が満たされないことが日常であることにも注意をうながします。
4アスリートの動機:マラソンランナーの証言から彼女たちの動機を推測することを試み、それを「学習」の動機と関連づけます。
5外発的動機づけと内発的動機づけ:外発的動機づけと内発的動機づけの区別について考えます。
6学習行動を動機づけるには:どのようにして学習意欲を高めるかといった現実の問題を取り扱う際に配慮しなければならないことをいくつか取り上げます。
7学習の基礎:学習(learning)の基礎を簡単に述べます。学習はとくにヒトにおいては重要な事柄と考えられます。なぜなら、私たちヒトの行動のほとんどは生後に習得されたものだからです。
8学習の転移:学習心理学において転移として知られる現象とその教育における取り扱いについて述べます。
9測定と言うこと:測定とはなにをすることなのか、そして得られた測定値にはいくつかの性質があることを述べました。
10測定値の相対的位置:測定値が正規分布している場合には、代表値(平均値)と散布度(標準偏差)を知ることにより、ある測定値の全体の中での位置を知ることができるようになります。
11相対的位置の推定:正規分布する集団の中である測定値がどこに位置するか、その相対的位置を推定するという作業を説明します。
12知能とはなにか:知能をどのようにとらえ、どうしたら測定できるかについて、ビネによる最初の知能テストから話をはじめます。
 

〔後期〕

1ウエクスラーによる知能検査:知能の多因子説にもとづくウエクスラーの知能検査を取り上げました。
2パーソナリティ:気質、性格、パーソナリティといった術語が意味することを詳しく説明します。
3アイデンティティ:エリクソンによる概念、アイデンティティについてお話しします。
4特性論、類型論:パーソナリティを理解しようとする二つの代表的な方法について説明します。
5YG性格検査:YG性格検査の集計と分析、結果の読み方を詳しく説明します。また検査がどんように作られているかを特性論の立場から解説します。
6パーソナリティの形成と測定:パーソナリティの検査法について簡単に述べ、そして私たちのパーソナリティが何によって形成されるかを考えます。
7学力の測定:学力を測定するにはテストだけが有効な手段ではなく、他にも方法があることをお話しします。
8学力の評価:評価はどのように行われるのかをまず取り上げ、相対評価と絶対評価、それぞれの意味と特徴を比較します。
9評価とは何か:評価は何を目的になされるか、つまり評価の機能に焦点をあてます。伝統的な評価の機能とそれを批判するブルームの考えを紹介します。
10発達:個人の成長の伴う心理的発達を取り上げ、各年齢段階における特徴を理解します。
11発達段階:いくつかの発達理論とその発達段階について述べます。
12障害児の理解と共生:健常であることと障害を持つことについて考え、共生(共に生きる)という概念について考えます。

■授業の方法

 講義サイトには次のような学習者サポートを目的としたページがあります。

【資料】講義で取り上げるトピックスの資料です。事前に読み、必要なら印刷して講義に臨んで下さい。

【今日のまとめと復習】講義で取り上げた内容とキーワードなどのまとめを講義終了後アップロードしますので、自分の理解度を確認して下さい。

【復習問題】取り上げる分野ごとに課題(論述形式あるいは選択形式の問題)を出しますので、取り組んで下さい。

■成績評価の方法

 前期・後期末の最終授業時間に試験を行います。試験形式は選択問題と論述問題からなります。さらに、各領域を終えた時点でリポートの提出を求める予定です。

■教科書・参考書

 この講義ではテキストを使用しませんので、サイトの資料を参照して下さい。自分で読み勉強するために以下の参考書は授業中に紹介します。

 講義サイトのURL:http://spot4u.net/