『災害対処の文化論Ⅲ~新潟県域に於ける謎の災害~』概要 小林 健彦(大学院言語教育研究科 客員教授 )著 | 大学 | ニュース一覧 | 拓殖大学

『災害対処の文化論Ⅲ~新潟県域に於ける謎の災害~』概要 小林 健彦(大学院言語教育研究科 客員教授 )著

掲載日:2015年09月29日

『災害対処の文化論Ⅲ~新潟県域に於ける謎の災害~』概要 日本列島の中では、文献史資料に依って確認を取ることが可能な、古代以降の時期に限定してみても、幾多の自然災害―気象災害、津波や地震災害、火山噴火、そして、人為的な災害としての伝染病の蔓延等―に見舞われ、その度に住民等を苦しめて来たのであった。現在の新潟県域に該当する地域、かつての越後国、佐渡国に於いても、それは例外ではなく、当該地域特有の気象条件より齎される雪害、強風(季節風)を始めとして、大雨、洪水、旱魃、地震、津波、火山噴火、そして、疫病の流行といった諸々の災害が、それらの発生当時の民衆に襲い懸かっていた。しかし、民衆はそれらの災害を乗り越えながら現在へと続く地域社会を形成し、維持し、発展させて来たのである。
日本人に依る地域社会の形成は、災害に依る被災と、その克服の歴史であると言っても差し支えは無いであろう。筆者は従前より、当時の人々がこうした災害を如何にして乗り越えて来たのかという、「災害対処の文化論」を構築するのに際し、近年、自然災害が頻発している越後国、佐渡国、つまり、現在の新潟県域を具体的な研究対象地域として取り上げながら、その検証作業を行なっている処である。
本書では、平安時代より鎌倉時代にかけての時期に発生し、当該地域に甚大な被害を齎したとされる、「謎の巨大地震」、及び、それに関連する可能性も示唆される、新潟県出雲崎町と、同長岡市所在の「宇奈具志神社」とに就いて、文献史学の分野より接近可能な事象に就いて、事例検証と、当時の人々に依る対処法とに就いて、検討を加えたものである。 


出版社 / 発行

ディー・エル・マーケット株式会社(DLMarket Inc)/ 2015年8月18日

著者

大学院言語教育研究科 客員教授 小林 健彦 小林 健彦(こばやし たけひこ)
昭和37年(1962)生まれ。新潟県出身。中央大学文学部史学科国史学専攻卒業。学習院大学大学院人文科学研究科史学専攻博士後期課程満期退学。
現職は拓殖大学大学院言語教育研究科 客員教授、及び、新潟産業大学経済学部 准教授。専攻は日本語運用史、災害対処文化論、対外交渉史。
著作は『定本 上杉謙信』(共著書、高志書院、2000年)、『越後上杉氏と京都雑掌』戦国史研究叢書13(単著書、岩田書院、2015年)、『韓半島と越国(こしのくに) ~なぜ渡来人は命がけで日本へやって来たのか~』[Kindle版]〔単著書、BookSpace (2015/6/13)、販売:Amazon Services International, Inc. 〕(後に DLMarket Inc)、『災害対処の文化論シリーズ Ⅰ ~古代日本語に記録された自然災害と疾病~』[Kindle版]〔単著書、BookSpace(2015/7/1)、販売:Amazon Services International, Inc. 〕(後に DLMarket Inc)、『災害対処の文化論シリーズ Ⅱ ~室町~織豊期の地震災害と対処の文化~』[Kindle版]〔単著書、BookSpace(2015/7/17)、販売:Amazon Services International, Inc. 〕(後に DLMarket Inc)、『災害対処の文化論シリーズ Ⅲ ~新潟県域に於ける謎の災害~』〔単著書、販売:DLMarket Inc(2015/8/13)〕、等がある。