『国際協力アクティブ・ラーニング~ワークでつかむグローバルキャリア~』佐原隆幸(国際学部長・教授)・徳永達己(国際学部教授)共著 | 大学 | ニュース一覧 | 拓殖大学

『国際協力アクティブ・ラーニング~ワークでつかむグローバルキャリア~』佐原隆幸(国際学部長・教授)・徳永達己(国際学部教授)共著

掲載日:2016年03月24日

国際協力アクティブ・ラーニング~ワークでつかむグローバルキャリア~

近年、若者やシニアの海外ボランティア希望者が増加しています。企業では途上国との業務提携や技術輸出が日常化し、とくにアジアを中心とした商業網は日本経済の生命線ともなっています。

また、新型インフルエンザ、エボラ出血熱などの感染症や食品の衛生など、途上国で発生している問題が、私たちの生活の安心・安全に直接かかわってきています。長引く紛争により不安や絶望が膨張し、大量の難民が国境を越えて移動しています。このように私たちの「今」の裏側にはいつも途上国の「今」があり、切っても切り離せない関係がどんどん強まってきています。実は途上国の生活の安定が私たちの生活の安定に直結しているのです。途上国の貧困に目をそむけ問題の解決を放置していると、それは確実に、そしてますます直接的な形で私たちの貧困を引き起こし、深刻な問題を発生させます。「そんなの関係ない」ではもう済まないのです。 しかし、途上国で現地の人たちと一緒に働き、成功を収めるには情熱だけでは足りません。次々と発生するトラブルを解決する現場力を身に付けるためには、多くの先人の知恵を学び、事前にトレーニングする機会が必要です。

本書は各章末と巻末に掲載された多数のアクティブ・ラーニング用教材で学習内容を確認しながら、現地でのコミュニケーション力と実践力を身に付けることができる画期的教材です。本書ではグループ学習というスタイルをとり、①対話による問題提起→ ②「なぜそうなのか」から始まる解説→ ③アクティブ・ラーニング→ ④キーワードの確認→ ⑤参考図書での調べ学習、という一連の流れを設定し、身近な疑問に答えながら知識を獲得できるような学習者中心の構成となっています。とくにアクティブ・ラーニングでは、個人の気づきを大切にしつつ複数の視点から理解を深めることで、予定調和ではない行動的な学びを促します。

本書のつかいかた
本書は4部から構成されています。
第Ⅰ部「現状を知る」では、途上国の抱える代表的な4つの課題についての取り組みを紹介します。ミレニアム開発目標でも取りあげられましたが、それ以前からも、また現在も途上国が取り組み続けている古くて新しい課題です。

第Ⅱ部「方法を知る」では、国際協力の基礎知識を学びます。プロジェクトとは何か、問題解決型の計画手法とは、参加型計画手法とは、PLA 手法とは、政府予算でおこなう国際協力とは、組織制度づくりとは、小規模融資とは、といった基本的で必須なテーマを扱います。

第Ⅲ部「課題を知る」では、最新の課題を取り上げます。環境問題、エネルギー問題、食糧問題、感染症問題、そしてグローバリゼーションの問題について学び、ミレニアム開発目標を引き継ぐ持続可能な開発目標への展望をおこないます。

第Ⅳ部「実践ワーク」では、国際協力の現場で実際に使われる手法を使った分析に取り組んでみましょう。むずかしい課題もありますが、国際協力の仕事のイメージをつかんでみてください。

出版社

㈱弘文堂

発行日

2016年2月15日

著者

佐原隆幸(さはら たかゆき)
拓殖大学国際学部長・教授、学術博士(PH.D 開発行政)。
1953年、山口県生まれ。上智大学外国語学部英語学科卒業、筑波大学大学院地域研究科修了、マンチェスター大学大学院開発行政研究科修了。国際協力事業団(現在は国際協力機構、JICA)、外務省経済協力局、在チリ日本大使館技術協力担当書記官、国際大学客員教授、JICAインドネシア事務所次長、JICAアジア一部調査役を経て現職。
専門は開発計画、参加型プロジェクト、国際協力の方法、プロジェクト計画・評価論、制度開発論。

徳永達己(とくなが たつみ)
拓殖大学国際学部教授、博士(工学)、技術士(建設分野)。
1961年、神奈川県生まれ。拓殖大学商学部貿易学科卒業、東京海洋大学大学院商船学研究科交通システム工学専攻科修了。青年海外協力隊(タンザニア国・在庫管理)、(社)国際建設技術協会、エイト日本技術開発(株)、拓殖大学大学院国際協力学研究科を経て現職。アフリカ研究愛好会顧問。
専門は都市計画、交通計画などのインフラストラクチャー(社会基盤)開発およびプロジェクトマネジメント。