『森鷗外の歴史地図』村上祐紀(政経学部 准教授)著 | 大学 | ニュース一覧 | 拓殖大学

『森鷗外の歴史地図』村上祐紀(政経学部 准教授)著

掲載日:2018年03月27日

森鷗外の歴史地図

本書は、森鷗外の歴史叙述を対象に、陸軍軍医として、また近代小説の確立を担った近代作家として、自覚的に近代の成立期を過ごした鴎外が、 なぜ晩年に至って歴史を書き続けたのかを問うたものである。こうした問いに答えるために、鷗外が歴史をどのように捉えていたのか、 特に同時代の近代史学との関係性を明らかにする。近代史学との関係性を踏まえた上で、 それぞれの作品から、近代史学の方法と鷗外の歴史叙述との関係を考察し、鷗外の歴史叙述が生成する様態を浮き彫りにすることを目指した。

目次
序章 近代史学の歴史地図

第Ⅰ部 歴史を語る
第一章 探墓の歴史 第二章 歴史叙述の実験 第三章「立証」と「創造力」

第Ⅱ部 歴史を綴る
第一章 鴎外と外崎覚 第二章 集古会から見る『渋江抽斎』 第三章 好古と考古

第Ⅲ部 歴史を創る
第一章 接続する「神話」 第二章 帝室博物館総長としての鴎外 第三章 「皇族」を書く

出版社

翰林書房

発行日

2018年2月26日

著者

村上祐紀(むらかみ ゆき)
1979年、福岡県北九州市生まれ。
筑波大学大学院博士課程人文社会科学研究科文芸・言語専攻日本文学領域修了、博士(文学)。
東京経済大学特任講師を経て、2016年より拓殖大学政経学部准教授。専攻は、日本近代文学。
主な論文は「森鴎外『西周伝』」(『小山工業高等専門学校研究紀要42・平成22年3月』)、「森鴎外、王家医学論争のプロブレマティーク」(『人文・自然・人間科学研究』38・平成29年10月)ほか。