日本語教育研究所

概要

拓殖大学日本語教育研究所は、平成19(2007)年に「日本語・日本語教育」の研究と振興を課題として出発した研究教育機関です。日本語・日本語教育に関する調査・研究の成果を国内外に発信することにより、国際相互理解の発展に寄与する目的で以下の業務を行っています。

  1. 日本語に関する調査・研究
  2. 日本語教育に関する教材開発
  3. 日本語教育に関する刊行物の発行
  4. 外国人・交換留学生・委託留学生等に対する日本語教育
  5. 日本語教育に関する研究会等の開催
  6. 日本語教師養成講座等の開催及び運営

拓殖大学機関リポジトリ:日本語教育研究所

日本語教育研究所長挨拶

阿久津 智(外国語学部教授)

日本語教育研究所は、平成19(2007)年に設立された、日本語・日本語教育の研究と、その振興をはかるための研究教育機関です。本研究所では、日本語・日本語教育の調査・研究『拓殖大学 日本語教育研究』の発行とともに、外国人留学生に対する日本語研修等の日本語教育、日本語教師養成講座や日本語教育セミナーの開催などを行っております。

拓殖大学における日本語教育は、歴史が古く、戦後においては、昭和36(1961)年に、アジア協会(現・国際協力機構=JICA)から委託を受けたインドネシア共和国賠償留学生を受け入れるために「日本語研修所」を設立したことに始まります。日本語研修所は、その後、昭和38(1963)年に「語学研修所」と改称され、外国語講座とともに、在日外国人を対象とする「日本語講座」が開講しました。語学研修所は、その後、昭和47(1972)年に「語学研究所」となり、さらに、平成9(1997)年に、現在の「言語文化研究所」となりました。日本語教育に関しては、昭和55(1980)年に語学研究所附属の「日本語研修センター」が開設され、その後、言語文化研究所附属となった同センターは、平成15(2003)年に改編されて、「拓殖大学日本語学校」が設立され、さらに、平成19(2007)年に、現在の「日本語教育研究所」に改組されました。

この間、日本語研修センター(および、その後継の組織)では、昭和57(1982)年に、中国帰国者に対する日本語教育を開始し、台湾・東呉大学の夏期日本語研修団の受け入れも始めました。平成12(2000)年には、外国人留学生を対象とする、大学入学のための準備教育課程(拓殖大学日本語学校の前身)が開設されました。また、昭和44(1969)年からは、日本語教師をめざす社会人を対象とする「日本語教師養成講座」を開講しています。

本学は、別科日本語教育課程・学部・大学院において、一貫した日本語教育環境が整備されています。日本語教育研究所は、これらと連携をとりつつ、教育・研究活動を行い、日本語教育の発展・振興に取り組んでまいります。

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出版物

紀要 『日本語教育研究』

第3号以降は拓殖大学機関リポジトリに論文を掲載しております。

創刊号から最新号の論文等題名、執筆者一覧は右側の(+)よりご覧ください。

第7号 (発行:2022年3月)

種別 著者 タイトル
退職教員の略歴と業績 遠藤 裕子 退職にあたって―教室の想い出―
退職教員の
略歴と業績
小林 孝郎 マレーシアと文京と八王子と―退職にあたり―
論文 倉田 芳弥 日韓接触場面のLINE チャットの会話における相づちの送信方法の分析
 ─相づちの出現箇所に着目して―
論文 玉置 充子 機械翻訳と日本語教育
 ─産出文のセルフモニタリング促進の観点から―
論文 中村 かおり
伊藤 江美
線の識別力を高める漢字字体学習法「Kコード」の効果と課題
 ─学習者および教師への意識調査から―
論文 岡田 幸彦 現代日本語の文の構成についての一試案
 ─「名詞 + は」「名詞 + が」と他の構成要素との関係の面から―
研究ノート 阿久津 智 「発声」という語について
研究ノート 遠藤 裕子 身体部位詞を対象とする破壊動詞の用法
 ─「こわす」「くずす」「つぶす」「くだく」の場合―
研究ノート 小林 孝郎 Kanji in 6 & 4 による中国語簡体字と日本漢字との字体示差表示の試み
研究ノート 尾沼 玄也
加藤 林太郎
日本語教師が離職に至るプロセス
 ─複線径路・等至性モデルによる分析-

第6号 (発行:2021年3月)

種別 著者 タイトル
退職教員の略歴と業績 小野寺 美智子 退職のご挨拶―言語学から日本語教育へ―
論文 小林 孝郎 韻文の「縮約形」について  ─「川柳」を中心に―
論文 市原 乃奈 留学生の「日本語」大学入学前教育にはどのような媒体が有効か
論文 尾沼 玄也
加藤 林太郎
日本語教師のキャリア形成に関する一考察  ―現役教師の経験したやりがいと失敗から―
論文 小井 亜津子 受影性に関わるテクルの用法と本動詞の意味特徴
論文 玉置 充子 日本統治期の台湾の「国語」普及と教化団体  ―1920 年代の台北州鶯歌庄を例として―
論文 山下 哲生 マレーシアにおける理工系学部留学プログラムの変遷と今後の課題  ―HELP・MJHEP・UniKL JUP の日本語教育に焦点を当てて―
研究ノート 阿久津 智 「体系」という語について
研究ノート 遠藤 裕子 建物をモトとする日本語の比喩表現  ―メタファーとメトニミーによる意味拡張―
研究ノート 福田 惠子 日韓関係の改善と国際理解教育の必要性  ―韓国人アンケート調査から―
研究ノート 伊藤 江美
中村 かおり
Kanji in 6 & 4 の点画コードを用いた漢字字形学習の実践  ― Kコードの共通言語機能と実用性についての考察―

第5号 (発行:2020年3月)

種別 著者 タイトル
退職教員の略歴と業績 木村 政康 拓殖大学と歩んだVT法の研究 ―挨拶にかえて―
論文 阿久津 智 明治前期の「音韻」
論文 木村 政康 VT法による日本語学習者の発音指導・矯正 ―人工内耳装用児の発音矯正も視野に入れて―
論文 中村 かおり 日本語学習者の形式スキーマ形成を目指したライティング指導 ―文章構造分析タスクを用いた授業実践から―
研究ノート 山口 隆正 日本語教授法「読解指導法」―「範読」のすすめ―
研究ノート 栗田 奈美 大学で求められるビジネス日本語教育とは ―元学習者を対象としたアンケート調査の結果から―
研究ノート 浅井 尚子 予備教育機関における留学生の日本イメージと日本事情教育 ―九分割統合絵画法の分析から―

第4号 (発行:2019年3月)

種別 著者 タイトル
退職教員の略歴と業績 石川 守 拓殖大学の思い出
論文 阿久津 智 日本語史における日本語の普及
論文 中村 かおり 非漢字圏学習者の負担を軽減する漢字指導の試み
論文 栗田 奈美 BCCWJに基づく「てくれる」構文の分析―日本語上級学習者の非用解消に向けて―
研究ノート 大越 貴子 入門・初級レベルにおける授業内多読に関する一考察―読書コミュニティの出現と効果―
研究ノート 浅井 尚子 先輩留学生を活用した大学院進学コースの取り組みと課題
実績報告 福田 惠子 大学における異文化交流活動―国際学部における実践例―

第3号 (発行:2018年3月)

種別 著者 タイトル
論文 小林 伊智郎 「基礎科学実験」教科書に見られる機能語の特徴
研究ノート 阿久津 智 音韻と日本語学習
研究ノート 浅井 尚子 大学院進学希望者の受験準備の現状と課題―大学院生の振り返りインタビューから―
研究ノート 大越 貴子 「総合日本語」授業における初級段階からの多読授業の検討
研究ノート 中村 かおり 日本語教育実習における指導力向上のための基礎的研究―チェックリストの作成に向けて―
研究ノート 山口 隆正 日本語テキスト・日本語能力試験(過去問)からみる「『気』の慣用句」の扱い方について

第2号 (発行:2017年3月)

種別 著者 タイトル
論文 小林 伊智郎 CAD指導用教科書に見られる動詞の分析―基本動詞の意味の特殊性について―
論文 石川 守 般若 洋子 格助詞「で」の意味機能―条件を表す機能について―
論文 工 一仁 仏教と日本人―その伝来と発展をめぐって―
論文 中村 かおり アカデミック・リーディングにおける問いと答え探索活動の有効性 ―中心文探索活動との併用に関する質的研究―
研究ノート 阿久津 智 漢語音韻学と日本語漢字学習
研究ノート 飯田 透 「平仮名」の書写教育について―日本人および日本語学習者への指導内容に基づいて―

第1号 (発行:2016年3月)

種別 著者 タイトル
巻頭言 川名 明夫
創刊の辞 小林 孝郎
論文 石川 守 般若 洋子 格助詞「に」のコア、及びコア・イメージ
論文 小林 伊智郎 初級日本語教科書の文法項目の改訂
論文 飯田 透 目的を表す格助詞「に」の導入に関する一考察
論文 中村 かおり 主格マーカーとしての格助詞「が」の取得を促す指導法
研究ノート 山口 隆正 日本語教育における慣用句の扱いについて
研究ノート 工 一仁 夏祭りと地域振興 -「完全戦災都市」平塚の七夕まつりを例として-

公開講座

ご質問などがございましたら、kenkyu@ofc.takushoku-u.ac.jp宛に電子メールでご連絡いただけますようお願い申しあげます。

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