拓殖大学に感謝
-英語教育学博士前期課程から上智大学博士後期課程への進学

内田 玲 さん

私は、2010年3月に拓殖大学政経学部経済学科を卒業後、一般企業への就職を経て、2012年に拓殖大学大学院言語教育研究科英語教育学専攻に入学し、2014年3月に同専攻を修了しました。

特に、大学院生活を振り返ると、感動に満ち溢れた非常に充実した2年間を過ごすことができたと思います。私は、政経学部出身という点や社会人経験をしてから大学院に入学したという点で、ほかの学生たちとは少し異なる存在でしたが、社会人経験を生かし、学会の受付係として運営の補佐をさせてもらうこともできました。「また受付係をしてほしい」と会員の方々から言われた時、大学院入学までの経緯に何も無駄はないと実感しました。

研究については、音声学をテーマとしました。政経学部在学中に「正しい発音がグローバル社会を舞台としたビジネスにおけるコミュニケーションをスムーズにさせる」と、経済学と発音とが密接な関係があると思い、音声学の研究を人生のライフワークとすることを決意しました。そして修士論文では、日本人学習者に対する英語発音指導方法を考察しました。修士論文執筆のためだけでなく、音声学の研究者の一人として研究に励み、様々な学会に参加しました。また、言語音声学の観点のみからではなく教育工学的な観点からも分析したいと考えていました。大学院の2年次、ある学会で発表された上智大学の先生のご見解に強い共感を感じて、拓殖大学大学院修了後は上智大学大学院の理工学研究科(博士後期課程)に進学することを決意しました。

研究室

研究室

上智大学大学院の理工学研究科に進学し、理工学部研究補助員として上智大学理工学部への採用が決定した時、私は、拓殖大学で学生時代を過ごせて本当に幸せだったと感じました。なぜなら拓殖大学は、学生ひとりひとりを大切にする温かみのある大学だからです。企業に就職した時、社会人生活にアドバイスをし勇気づけてくれる恩師の存在がありました。大学院在学中も、英語教育学専攻の先生方をはじめ、政経学部と商学部の先生方も研究に対するご協力や様々なお話しをして私を支えてくださいました。先生方のほか、同じ研究室でそれぞれの研究に励む同級生の存在や、学会で知り合った先輩方の存在は学生生活の支えとなりました。様々な人たちの温かな支えは、苦労を乗り越えるエネルギーとなり、進学先と就職先を決めることができました。そして、新しい環境での研究と仕事に励むよう勇気づけてくれました。

拓殖大学は、桂太郎先生や新渡戸稲造氏の武士道の精神を受け継ぎ、「建学の理念」を実現している点が一番の魅力ですが、今述べた、「学生ひとりひとりを大切にし温かみのある大学」という点も拓殖大学の魅力の1つだと思います。全ての学生に対して、いつも優しく時には厳しく見守る家族のように。そして、優しく照らす月明かりのように。いつでも帰ってくることができる心の灯燭(ともしび)となるような大学です。