グローバルファシリテーター育成塾 第9講 ~国際協力にお けるファシリテーションの重要性~ が行われました。 | 学生生活 | ニュース一覧 | 拓殖大学

グローバルファシリテーター育成塾 第9講 ~国際協力にお けるファシリテーションの重要性~ が行われました。

掲載日:2015年07月01日

グローバルファシリテーター育成塾 第9講①
「開発」の語源を説明する講師の向井一朗氏

6月26日、グローバルファシリテーター育成塾 第9講において、向井一朗氏(JICA)をお招きして、いくつかのワークを交えながら「国際協力におけるファシリテーションの重要性」について語っていただきました。

向井氏の講義で印象的だったのは、最初のアイスブレイクでした。「私に必要な誕生日プレゼントをグループで考えてみてください」との投げかけに、塾生たちは、旅行券、チョコケーキ、シャンパンなどと思い思いに回答していきます。一通り聞いた後、向井氏は「私は最初になんてみんなに聞きましたっけ?」と改めて聞き直し、キョトンとする塾生たちを前に「"私が"ではなく、"私に"必要な誕生日プレゼントは?と聞いたんですよね」と確認していきます。わずか助詞ひとつの違いですが、受け取るニュアンスには大きな開きがあります。"私が"とした場合はあげる側の視点が強くなることを許容し、"私に"とするともらう側のニーズに思いをめぐらせる視点が必要になってきます。そうであればこそ、なぜ直接聞きに来ないのか、対話を成立させようとしないのか、というのが向井氏の疑問であり、メッセージでもあったのです。国際協力の現場においては、援助する側/される側といった関係性を超えたところでの対話がなされていかなければならず、それは決して思い込みで判断していくものではないという警鐘だったのです。

以後も向井氏の講義は、終始一貫してファシリテーターとしての姿勢・態度のあり方に触れていくものでした。「よくファシリテーターは"中立公平"であらねばならないと言われますが、むしろ大事にしたいのは、弱い者の代弁者としての"公正"という言葉ではないか」とか、「目に見えないもの(けども「いいもの」「もともと持っているもの」)を引き出す姿勢が重要」といった向井氏から発せられたメッセージはすべて塾生たちの心に響くものでした。

講義の締めくくりでは「ファシリテーションはとても簡単なこと」とのもと、「結局は、国際協力の現場であろうがどこであろうが、"友だ ちとどうつき合うか"を考えることと変わらないんだよ」と述べてくださいました。それは、きっと向井氏自身がファシリテーターとして大事 にしている哲学でもあったのだろうと思います。

グローバルファシリテーター育成塾 第9講② グローバルファシリテーター育成塾 第9講③ グローバルファシリテーター育成塾 第9講③