第7回 拓殖大学・ナレースワン大学共催日本語教育研修会をオンライン開催しました
掲載日:2023年04月06日
3月25日(土曜日)、拓殖大学とタイのナレースワン大学共催の「第7回日本語教育研修会」がオンラインで開催されました。
ナレースワン大学はタイ北部のピサヌローク県にある国立大学です。本学の日本語教育研究所は2016年度より、同大学の人文学部との共催で、ピサヌローク近郊の中等教育機関等で日本語を教えるタイ人教員を主な対象に、日本語教育に関する研修会を実施してきました。コロナ禍の第5回(2020年度)以降はZoomを使ってオンラインで開催されています。
今回のテーマは「スピーチにつながる発音練習:視覚情報、身体運動を利用して」で、本学から別科日本語教育課程の中野二郎講師が講習およびワークショップの講師を務め、日本語教育研究所の玉置充子准教授がワークショップの進行を担当しました。
前半の講習では、中野講師が「VT法(Verbo Tonal Method)」の解説に続いて、「フレージング」(フレーズを作って日本語らしいリズムやイントネーションを習得する指導法)とOJAD(オンライン日本語アクセント辞書)の活用方法を紹介し、タイの中等教育機関および大学の教員約30名が受講しました。講習は、本学の日本語教育関係の教員および大学院生(言語教育研究科)15名も聴講しました。後半は、ナレースワン大学で日本語を専攻する学部3年生約60名が加わり、フレージングを使った発音指導を体験するワークショップが行われました。また、講習とワークショップの間に行われた双方の「大学紹介」では、本学別科日本語教育課程のタイ人学生ピーラワットワーニット・ユチャワンさんがタイ語で本学を紹介しました。
ワークショップでは、教員1名に対して2~3名の学生を含むグループに分かれ、学生に「理想の〇〇」という短いスピーチを書かせて、OJADを利用してフレージングし、発音を指導するところまで実践的に体験してもらいました。限られた時間の中で原稿を書かせて発音練習まで行うのは簡単なことではありませんが、先生方も学生も熱心に取りくみ、最後の発表の時間には、日本語らしいイントネーションで内容も楽しいスピーチが次々に披露されました。参加した先生方からは、体験後の感想として、「フレージングは学生の発音指導に役に立つことを実感した」、「自分の授業にぜひ取り入れたい」「学生も楽しんで参加していた」といった声が多く聞かれ、非常に有意義な研修会となりました。
タイ国内では、日本語の学習熱が高まっており、日本語教育の充実、日本語教員の教育技術のレベルアップが望まれています。今回のオンライン研修会の成功により、本学とナレースワン大学との協力関係が強化され、より活発な相互交流が実現することが期待されます。