拓殖大学・ナレースワン大学共催日本語教育研修会をオンラインで開催しました

掲載日:2024年03月27日

3月16日(土曜日)、拓殖大学・ナレースワン大学共催の第8回日本語教育研修会がオンラインで開催されました。
ナレースワン大学はタイ北部のピサヌローク県にある国立大学で、拓殖大学日本語教育研究所は毎年、同大学人文学部日本語学科と共同で、ピサヌローク県および近郊の中等教育機関等の日本語教師を主な対象とする研修会を実施しています。今回の研修テーマは「拓大メソッドによる漢字学習 ―K-codeを用いた字体の説明と書字練習」で、本学別科日本語教育課程の伊藤江美講師が講習とワークショップを担当し、タイの中等教育機関の日本語教師約70名に両大学の教員と本学大学院生(言語教育研究科)を加えた計80名以上が参加しました。
K-codeとは、本学大学院言語教育研究科に在籍し博士号を取得されたタハ・シヌーシ・イマーン氏が提唱する漢字字体の認識法に基づき、漢字の字体を6つのコードに分類して指導する画期的な漢字学習法で、本学別科日本語教育課程では、語彙先習とK-codeを2本柱とする「拓大メソッド」による初級の漢字クラスを開設しています。今回の研修では、前半で伊藤講師が「学習者のストレスを減らした楽しい漢字学習」を目指す「拓大メソッド」の特徴を紹介するとともに、K-codeの機能と使い方をわかりやすく解説しました。研修後半のワークショップでは、3~4名のグループに分かれて、タイの中等教育でよく使用されているテキスト『あきこと友だち』の各課の漢字をピックアップし、K-codeを用いて指導する漢字教材を作成しました。
ワークショップ終了後の感想として、K-codeは、「生徒の漢字の書き方の確認やアドバイスにとても適している」、「漢字をより正確に書くのに役立つ」、「生徒は漢字学習にもっと興味を持つようになると思う」、「新しい漢字教育のテクニックで、ぜひ授業で使ってみたい」といった声が聞かれました。「拓大メソッド」による漢字教育の理念がタイの中等教育の現場に取り入れられる日は遠くないかもしれません。
タイ国内では、日本語の学習熱が高まっており、さらなる日本語教育の充実、日本語教員のレベルアップが望まれています。本学は今後も研修会を実施し、タイの日本語教育の発展に貢献していきたいと思います。また、こうした研修会の開催を通して、本学と海外の大学との協力関係がますます強化され、より活発な相互交流が実現することを期待します。

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