2025年度第2回所内研究会を開催しました

掲載日:2025年07月24日

7月22日(火)、文京キャンパスE館7階E704教室において、国際日本文化研究所の今年度第2回所内研究会が行われました。
今回は海外事情研究所の名越健郎客員教授が「ゾルゲ事件の真相」と題し報告、続いて政経学部の澤田次郎教授による討論がありました。ゾルゲは旧ソ連の大物スパイとして知られ、ドイツ人ジャーナリストを装い来日し諜報活動を行い、日米開戦前夜に逮捕され1944年11月7日のロシア革命記念日に死刑の執行を受けました。名越客員教授は、「史上最高のスパイ」と評されるゾルゲに関する機密解除史料をベースに、その全貌を検証・分析。昨秋には著書『ゾルゲ事件:80年目の真実』(文藝春秋)を出版しました。報告で名越客員教授は、「ロシアによるウクライナ侵攻が長期化する中、モスクワでは『ゾルゲ・ブーム』のような現象が起きている」と指摘。「日本は諜報活動を防止する制度が不十分と言われる。今後の在り方を考える上で、ゾルゲ事件は、その教科書となり得る」と述べました。
報告後は、報告者と参加者との間でディスカッションを行い、大いに盛り上がりました。

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名越 健郎 客員教授