安全保障総合シンポジウム「アメリカ次期政権と今後の日米同盟関係」を開催しました
掲載日:2024年11月12日
2024年11月9日(土)、文京キャンパスにおいて海外事情研究所の主催で第2回安全保障総合シンポジウム「アメリカ次期政権と今後の日米同盟関係」を開催しました。
今回のシンポジウムは、杉山晋輔元駐米大使、渡部恒雄笹川平和財団上席フェロー、佐藤丙午本学海外事情研究所長をパネリストとし、森本敏本学顧問・元防衛大臣を司会として行いました。
当初、11月5日に行われた米国大統領選挙でトランプ前米国大統領が当選したことを受けて、「トランプ勝利」の背景についてパネリストから発言があり、杉山晋輔元駐米大使からは世界情勢における米国大統領の位置づけについて発言があり、そして、ハリス候補の候補者としての弱さについて指摘がありました。渡部恒雄笹川平和財団上席フェローからは米国の有権者の投票の基準について言及があり、さらに、選挙戦等における情報の発信の方法が変わっていることについて話がありました。そして、佐藤丙午本学海外事情研究所長からはハリス陣営の選挙戦略の失敗、移民政策に対する有権者の反応などの点から指摘がありました。
続いて、司会からトランプ新政権の特徴について人事、一期目のトランプ政権との違いなどの点から問題提起があり、杉山晋輔元駐米大使からは選挙戦において両候補間で対外政策の違いが見られなかったとの見方の下、対中政策の重要性について言及がありました。そして、渡部恒雄笹川平和財団上席フェローからはトランプ新大統領の「司法リスク」について発言があり、トランプ新大統領が抱える訴訟の展開と政権運営の関係について解説がありました。その上で、外交政策についてウクライナ戦争、中東情勢へのトランプ新大統領のアプローチの可能性について言及がありました。さらに、佐藤丙午本学海外事情研究所長からはトランプ新大統領が対外的政策でレガシーを求めて、中国、中東、朝鮮半島に関心を持って対外政策が形成されるとの見方が示されました。
最後に、司会から日本はトランプ新大統領にどう向かうかとの点について問題提起があり、佐藤丙午本学海外事情研究所長からはトランプ新大統領と石破首相との間の人間的な相性について言及があり、さらに、米国の軍事産業の動向から新政権との関係性について話がありました。また、渡部恒雄笹川平和財団上席フェローからは、少数与党の石破政権におけるサイバー関連の法案の扱い、防衛予算などの点から問題提起がありました。そして、杉山晋輔元駐米大使からは、これまでの日本の外交政策の視点からトランプ新大統領との関係のみならず、今後の日本の外交政策のあり方について話がありました。
次回は、2024年12月3日(火)18:30~20:30から「中東の戦線は拡大するか!? -イスラエル・イランの対立と米中露の思惑」をテーマとしてシンポジウムを開催します。次回は夜間(18:30~20:30)開催のため、普段、時間が合わない方も参加をご検討下さい。事前申込みは、下記のURLから行っています。
https://req.qubo.jp/takudai-oc/form/kaikensymposium
- 研究支援課(文京キャンパス)
- TEL 03-3947-7597