シンポジウム「中東の戦線は拡大するか!?」を開催しました
掲載日:2024年12月06日
2024年12月3日(火)、文京キャンパスにおいて海外事情研究所主催でシンポジウム「中東の戦線は拡大するか!?-イスラエル・イランの対立と米中露の思惑-」を開催しました。
今回のシンポジウムは佐藤丙午海外事情研究所所長、富坂聡海外事情研究所教授、野村明史海外事情研究所准教授をパネリストとし、名越健郎海外事情研究所客員教授を司会として行いました。
冒頭、野村明史准教授より現状の中東情勢についてイスラエルによる攻撃の状況、イスラエル国内の変化、地域事情の変化などを挙げながら現状の解説がありました。さらに、米国大統領選挙でトランプ前大統領が当選したことを受けて、第一次トランプ政権の中東政策を振り返りながら、第一次政権と第二次政権の違いに触れ、今後の米国の動向についても話が及びました。
続いて、富坂聡教授より、中国の中東政策について中国とイスラエルの歴史的な関係、国際秩序の変化などの視点から解説がありました。特に、BRICSの枠組みによる動きについて言及がありました。そして、佐藤丙午所長より、米国から見た中東情勢についてトランプ前大統領の個人的な事情、米国政治と中東情勢との関係、レバノンとのイスラエルの関係、米国とイランとの関係などの視点から解説がありました。また、司会の名越健郎客員教授より、ロシアの中東への対応について中東情勢の拡大で世界の関心がウクライナ戦争から離れること、原油価格の上昇などの視点から解説がありました。次にパネリスト間で討論が行われ、サウジアラビアの中東における立場と役割、イランとアラブ諸国と関係性などについて議論が交わされました。
後半からは、参加者からの質問を受け、回答する形式で進行しました。参加者からは、日本の中東政策での注意事項、欧州諸国の中東情勢への対応、イスラエル国内の世論の動向、シリア情勢の動向、エジプトの中東情勢における立ち位置、ユダヤ系米国人の中東情勢への見方、トルコのシリアへの関与の可能性などの質問が寄せられ、それぞれの質問に対して、パネリストから丁寧な回答がありました。
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