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グローバルファシリテーター育成塾 ~最終講義が行われました~

掲載日:2015年07月22日

グローバルファシリテーター育成塾 ~最終講義が行われました~

7月17日(金)は、『新渡戸稲造ものがたり』の著者、柴崎由紀氏を講師にお招きした講義が行われました。
「新渡戸稲造に学ぶグローバル人材」という本塾のねらいのひとつが堪能できた、最終回にふさわしい講義となりました。

「こんなにすごい人がいるんだ。しかも子どもたちが読めるような伝記がないなんて」と新渡戸の伝記を書こうと思ったという柴崎氏は、まず「伝記の効用」を以下のようにお話しくださいました。 誰かの一生を、全体を通して読むと、多くのことが学べる。時代・社会・文化的背景も同時に学ぶことができる。例えば、新渡戸が初めて東京に来た時(1871年)には、岩手から11日間かけて駕籠で来たそうです。その後世界で活躍する新渡戸は、まさに社会・文化の変化と共に生きた人なのです。伝記を通して、私たち読者は様々な出会いを体験することになり、それこそが伝記を読む醍醐味だとも言えるでしょう。

また柴崎氏は、新渡戸との関わりから、台湾を訪れた際の印象を語ってくれました。もちろん台湾は日本とも、さらには拓殖大学ともゆかりのある土地です。「親日の人が多い」という台湾では、複数の新渡戸像(銅像)を寄贈したことでも有名な許文龍(きょ ぶんりゅう)氏との面会もされたそうです。学生たちにもぜひ台湾を訪れてみては、と勧めてくださいました。

グループディスカッションのテーマとして、「民族や国境を越えて理解し助け合うために、新渡戸博士の生涯からどのようなことを学ぶことができるのかを考えてみよう」が与えられた学生たちの発表は以下のようなものでした。

  • どんな人と接する時も肯定的、公平だった新渡戸の姿勢から、ファシリテーターの要素を学んだ
  • 平等で中立的な目線と視点が必要だと改めて学んだ
  • 当時は、植民地支配の時代であり、自分の利益を最優先に考えるケースが多い中、「住民の利益を優先すること」を第一に考えたという新渡戸の精神が、今日台湾に親日家が多いことにつながっているのではないかと考えた。また新渡戸が教鞭をとっている時にも学生に慕われていたのは、このような姿勢や態度のためだと思う。

講義の後半は、渡辺総長も参加し、新渡戸の功績について、柴崎氏とのやりとりが行われました。総長はまた、新渡戸と拓殖大学との深い関係、後藤新平とのつながりなどについても話し、受講生たちの理解を深めてくれました。

最後に、柴崎氏から学生へのメッセージとして3点が送られました。

①目の前にあることを全力でやってみる

まずやってみること。その中から得手不得手が見えてくるものであり、また出会いもあるはず。


②寛容であれ

新渡戸は亡くなる直前に「寛容(相手を理解して受け入れること)は、あらゆる進歩と人類福祉の根底深くにあるものである」と言ったそうです。相手の身になって考えてみることを大切にしてほしい。


③「自分が今日あるのは、誰の賜物であるかを忘れないでいると明るく生きられる。私のために、これほどのことを考えてくれるのだという気持ちがあれば、百万の敵も恐れることはありません。」


私たちには、支えてくれる家族、友達、親戚などの存在がある。なにも恐れずにこれから果敢に挑戦してください。

最終講義を経て、これから学生たちは9月18日の修了式まで「自分プロジェクト」に取り組むことになります。講座から、また新渡戸から学んだことを生かしてプロジェクトに取り組んでくれることを願います!

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