【経済学研究科】ネパ-ルの農村開発を一緒に考える
掲載日:2017年06月15日
経済学研究科に本年度より入学したネパール出身のシェルパさんは、松井ゼミでネパ-ルの農村開発の問題に取り組んでいます。ネパールでは、1990年代の内紛の後に和平・民主化プロセスが進められてきました。2015年の大震災の影響がまだまだ残っている一方で、近年は在日ネパール人の数が急激に増加しています。
松井教授は海外への出稼ぎ労働者が母国宛に行う送金(郷里送金)と経済発展の問題を研究テーマの1つにしてきましたが、シェルパさんの研究テーマでもネパールの郷里送金と農村開発の分析が中心的なテーマとなっています。
郷里送金への依存は家計に直接資金が行き渡るため短期的にはプラスであるものの、国内投資や他の外貨獲得源の成長につながらないなど長期的な課題も指摘されています。このような点も十分踏まえながら、ネパールの出稼ぎ労働の実態などを山岳部の農村でのフィールドワークなども行いながら研究を進めていく予定です。
シェルパ・チリンさん
郷里送金の重要性
また、松井ゼミとしてはネパールの復興支援に何等かの貢献をしたいと考えてきましたが、現地での支援活動は費用や時間面からのハードルが非常に高い状況にあります。ゼミ(政経学部3年)のメンバーは、(日本であまり知られていない)ネパールと日本の接点に関する情報発信が復興支援に役立つという問題意識を持ってきました。
具体的には、①ネパールと日本の友好関係の事例(松本市とカトマンズ市)、②急増する在日ネパール人が直面する問題、③ネパールの地政学的重要性 といった内容の情報発信プロジェクトが進められており、今後の成果が期待されます。