長期研修生からのニューイヤーレター(その4・台湾)

掲載日:2019年01月10日

新年快樂!

今回は私が体験した台湾のクリスマスと年越しについて紹介したいと思います。

まず初めに、台湾のクリスマスについてです。台湾ではクリスマスシーズンが近づくと、街の至る所にイルミネーションやクリスマスの装飾が増え、お店にはクリスマス仕様の商品が並び始めます。現地の友人に、台湾の学生のクリスマスの過ごし方について聞いたところ、家族や友人とクリスマスケーキを食べたり、プレゼント交換をして過ごす人が多いらしく、クリスマスの過ごし方は日本の学生とほとんど変わらない印象を受けました。私達の研修先である東呉大学はキリスト教の大学です。そのため、毎年24・25日は特別休暇であり、大学にも大きいクリスマスツリーが飾られています。日本と大きく異なる部分は、クリスマスが過ぎてからです。日本の場合、25日が終わると、街中の装飾は一斉にクリスマスからお正月になります。しかし、台湾の街中には新年を迎えた現在(1月4日)でも、お正月の装飾は一切見当たらず、未だにクリスマスツリーが飾られています。日本ではなかなか見られない光景です。

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東呉大学のクリスマスツリーの様子

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台北101の年越し花火

次は台湾の年越しについてです。台湾では日本のお正月とは異なり、旧暦の1月1日にあたる旧正月を祝うのが一般的となっています。西暦の年越しは中国語で「跨年」と呼ばれ、台北市のシンボルである台北101という高層ビルでは年越しのカウントダウンが行われています。新年を迎えると同時に台北101から盛大な花火が上がり、みんなで年越しを祝います。お店に関しても通常の祝日のように営業しているため、とても便利です。しかし、学校や会社は基本的に1月2日から始まり、学生はすぐテスト期間になるため遊んでばかりいられません。旧正月は2月の初旬頃です。私はまだ経験していませんが、家族団らんはもちろん、大掃除や台湾のおせちである「年菜」を食べたり、お年玉にあたる「紅包」の習慣もあるそうです。私達台湾研修生は旧正月の際に、それぞれのチューターの実家にお邪魔させていただく予定なので、台湾の一般的な家庭のお正月体験を楽しみにしています。

ここからは約5ヶ月間の研修生活を振り返っていきたいと思います。5ヶ月間の研修を通して、授業だけではなく部活動・検定・スピーチコンテストなど様々なことに挑戦してきました。その中でも最も印象に残っているのが部活動です。台湾に来てから一番初めに私の前に立ちはだかった大きな壁は、自分自身が中国語を話す機会が全くないということでした。普段の授業は、研修生6名のみの特設クラスで行われています。そのため授業中に研修生以外の学生と交流する機会もなく、先生方も日本語で授業してくださるため、私の周りには常に日本語が溢れていました。 授業や普段の生活を通して、中国語のリーディングやリスニングにおいては進歩を感じるものの、スピーキングに関しては全く進歩が見られず、中国語を話す環境をどう作ればいいのか常に悩んでいました。そこで現地の学生と交流するための方法として参加し始めたのが部活動です。

私が所属している野球部とテニス部は、基本的に1週間に1度のみ活動しています。そのため部活動に慣れるまで時間がかかり、部員の方々と思うようにコミュニケーションが取れないこともありました。しかし拙い中国語でも自ら積極的に話しかけることによって、相手が意味を汲み取って返してくれたり、発音や文法がおかしい部分を直してくれたりと、単に会話をする機会が増えただけではなく、現地の学生と距離を縮めることもできました。最近では、部員の方々と部活動が終わった後に世間話をしたり、課題を手伝ってもらったり、遊びに出かけたりしています。自身のスピーキング力においてはまだまだ課題だらけですが、現地の学生と友人になれたことは私にとって大きな財産です。

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テニス部の部員と記念撮影

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野球部でクリスマスプレゼント交換会

研修生活も残り約2ヶ月となりました。今後は今まで以上に、台湾でしかできないことは何であるのかという点を重視して過ごしたいと考えています。もちろん中国語の学習は重要です。しかし中国語の学習は、台湾でなくても1人で机の前に座って取り組むことができます。私は拓殖大学の国際学部で観光を専攻しているため、以前から台湾の観光地に関心がありました。残り2ヶ月には冬休みもあるため、その期間を利用して研修生数名と台湾一周旅行を計画しています。台北以外の地域の特色を実際に目にして、学びたいです。旅行に限った話ではありませんが、現地の生活に慣れたとはいえ、決して油断することなく、常に危機管理を忘れず行動したいと思います。

また、私が台湾研修に参加した理由の1つは観光でしたが、研修生1人1人、研修先に台湾を選んだ理由は異なります。台湾に来た目的や研修の目標を改めて再確認し、帰国後に後悔することがないよう、充実した2ヶ月間にしなければならないと考えています。

最後に、この台湾研修に参加することは決して簡単なことではなく、本当に幸せなことです。もちろん研修生自身も貴重なお金と時間を投資していますが、決して1人では実現できるものではありません。家族はもちろん、日本と台湾の大学の先生方、友人、そして研修生同士、多くの方々のサポートがあり、私達は今台湾で研修生活を送っています。それらのことをきちんと自覚し、必ず研修生全員で元気な姿で帰国したいと思います。サポートして下さった方々に少しでも成長した姿をお見せできるよう、残りの研修生活においてより一層努力することを約束します。

台湾長期研修生 国際学科3年 藤村里穂

八王子国際課