長期研修生からのニューイヤーレター(その8 スペイン)

掲載日:2020年01月27日

¡Feliz año nuevo! ( あけましておめでとう!)

スペインのクリスマスは12月24日から1月6日まで続きます。スペイン人にとって12月24日の夕食は家族と過ごす1番大切な日なので、ほとんどのレストランやバルは夕食までには閉店してしまいます。24日に食べる料理は七面鳥の丸焼きや鯛のオーブン焼きなど豪華な料理を食べ、デザートにはクリスマスケーキではなく、伝統的なお菓子のturrón, polvorón, mantecado, mazapánやチョコレートを食べます。またこの時期多くのスペイン人が宝くじを購入します。この宝くじは"El Gordo"と呼ばれ、国民の約75%が購入します。そのため賞金額も世界一の高額になるそうです。抽選会は12月22日にあり、大きな当たりが出ると町中総出でお祝いするそうです。クリスマスの時期になると広場や駅、通りがたくさんのイルミネーションで華やかになります。このイルミネーションはクリスマス終わりの1月6日まで街にあります。地域やエリア、通りごとに色使いとデザインのイルミネーションが広がります。

12月12日にもイベントがあり、サラマンカではこの日、各地の学生が集まり盛大に年越しを祝うイベントがあります。いつも見慣れた大広場は多くの人でいっぱいになります。約2万人以上集まると言われています。そのイベントの歴史は浅くおよそ1999年にサラマンカの学生たちが大晦日を祝うために始めたと言われています。それから2005年には正式な一大イベントとなり今のスタイルになりました。イベントは22時過ぎに人々が集まりだし、ステージでは色々なパフォーマンスが始まります。たくさんの人が音楽を楽しみます。ただし人が多い分危険なこともあります。暴力事件や盗難被害にあうなど主にスリが多くなります。そのため会場の中には警察官が紛れていることもあります。特に留学生の被害が多いと聞くのでこのイベントに限らず外に出かける際は貴重品を肌身離さず持つことや夜遅くに一人で外出しないようにしました。

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イベントで盛り上がるマヨール広場

12月31日の大晦日の夜も通常、家族で食事をし、0時には鐘を鳴らしながらその年の最後の数秒をカウントダウンする光景をテレビで見ます。スペインでは、このカウントダウンで12粒のブドウを食べる習慣があります。鐘が1つ鳴る毎に1粒のブドウを食べます。(スペインで大晦日に12粒のブドウを食べる風習は100年以上続いています。1909年にブドウが大豊作で余ってしまったので、ブドウ農家が「好運を呼ぶ12粒のブドウ」と称して人々に振る舞ったのが始まりという説です。「鐘の音に合わせて12粒のブドウを食べると新年は幸せになれる」という作り話が徐々に広まって全国に知られました。)
日を越したらロケット花火や爆竹を鳴らしたり、また窓から花火を見たりしながら新年を祝います。家族で新年の始まりを祝った後は、若い人達はフィエスタに出かける習慣があります。お金はすごくかかりますが、この日は皆とてもお洒落に着飾って出かけます。そして、習慣として、翌朝、朝まで続いたフィエスタの帰りにチュロスとホットチョコレートの朝食をとって帰宅するようです。

日本では元旦を家族と過ごし、特別な食事をしますが、スペインでは元旦は「寝る日」です。クリスマスからパーティーが続き、12月31日には朝まで大騒ぎすることが多いスペインでは、元旦は休憩の日。多くの人が何もせずに体を休めます。スペインの多くの街では年越しパーティーによって通りは汚れ、出歩く人もほとんどいません。

年が明けて6日。この日スペインは祝日です。レジェスマゴスと言われるこの日は東方の三賢者と呼ばれる人達がプレゼントを持ってくる日です。このプレゼントが貰えるのは1年間良い子にしていた子供だけで悪い子には炭が配られます。そしてこの日にはロスコンデレジェスと呼ばれる輪の形をしたケーキを食べます。皆で切り分けて食べるのですがこのケーキの中には小さな人形とそら豆が隠されています。人形が入っていた人は当たりでそら豆が入っていた人はハズレです。そしてハズレを引いてしまった人がこのケーキの代金を支払うという習慣があります。

8月以降、サラマンカ到着後の研修生活を振り返ると、研修生活がスタートして間もない頃は土地勘もなく、この先どうなるか心配なことが沢山ありました。
日本と異なるものや文化に戸惑い、初見ではわからない事も多く、現地主事や友達と一度行った場所にしか行っていませんでした。しかし今ではスペインの文化や独特のシステムに慣れ、色々な場所に足を運ぼうという気持ちが強くなってきました。休みの日にはサラマンカを出て旅行をしたり、サッカーの試合を観に行く研修生もいます。また、普段は午後が休みになるため、日本語を学んでいるスペイン人の日本語会話のボランティアや日本人でチームを作り小規模のスポーツ大会に出たり、それぞれ色々な体験をしながら現地のスペイン人と交流をしています。勉強面でも、サマーコースと3ヶ月コースを終え、会話の内容も充実し、授業外での交流も増え、日々とても充実しています。

サラマンカ滞在も残り2ヶ月弱となりました。 自分が前より成長したことを実感しています。時間が経つのもすごく早く感じます。もっと先生や友達、ホストファミリーなどいろんな人と会話をして会話力をもっと伸ばしたいと思います。残りの時間、後悔のないように勉強に励み、スペインの生活も楽しみたいと思います。そしてこの8ヵ月の留学生活を将来に活かしたいと考えています。

研修生メンバー全員が夢に見てたサラマンカ留学。あっという間に時間が過ぎてしまいました。皆それぞれサラマンカ で様々な体験をし、楽しい事や辛い事も経験しました。それでも同じ大学の仲間、学校で知り合った友達、サラマンカ で知り合った人と一緒に過ごした事によってみんな強くなってたくさんの事を学んでいると思います。

八王子国際課