JENESYS2023大学生訪韓団招聘学生に本学の学生が選ばれました
掲載日:2024年11月11日
今年3月に実施された日韓両政府による相互青年親善事業の一つであるJENESYS2023大学生訪韓団招聘学生に、本学国際学部国際学科3年の長谷風志さんが、400名以上の応募学生から選考され訪韓されました。長谷さんより訪韓レポートが届きましたので掲載いたします。
長谷 風志(国際学科3年/東京都・啓明学園高等学校出身)
ープロジェクト概要ー
私は2024年3月10日から16日にかけて、JENESYS2023大学生訪韓団の第1団団員として日本の隣国である韓国を訪れました。JENESYSとは日本政府である外務省が推進する「対日理解促進交流プログラム」の一環であり、私は公益財団法人日韓文化交流基金と大韓民国教育部国立国際教育院が共同で主催する大学生訪韓プロジェクトに参加しました。
本プロジェクトでは全国各地から大学生46人が集められ、第1団と第2団の2つのグループに分かれて5日間をソウル市周辺で、2日間を釜山周辺で過ごしました。活動内容は主に観光名所での自律研修や文化体験、文化理解の増進を目的とした歴史遺跡地の観覧などでした。
ー文化体験ー
私自身初めての韓国で見るものすべてが新しく印象的だったのですが、中でも特に印象に残ったのはソウル市内の自由時間で他の団員と訪れた、個人経営の食堂でした。訪韓団全体で食事を摂るときは大人数が一度に入れるそれなりに大きい料理店ばかりでした。しかし、私は韓国を観光客としてのみならず現地の生活に近いものとしても体験したかったため、狭い路地でひっそりとやっている韓国料理の食堂に足を運びました。そこは60代ほどの女性が一人で切り盛りしており、席数も10数席しかありませんでした。大きなレストランとは違い英語表記は一切なく、日本のような小さなメニュー表もありませんでした。メニューは店内の壁にかかっている大きなボードに書かれており、日本では聞き馴染みのないメニューも少なくありませんでした。キッチンでキンパを作っている店員さんを呼び拙い韓国語で必死に注文をしましたが、我々との意思疎通がうまくいかないからなのか、冷たい態度を取られた上に、少し怒鳴るような口調で注文を急がされました。私たちは恐怖と申し訳なさのあまり、声も体も自然と小さくなっていました。もうこういった外国人があまり来ない店に来るのはやめようかと思っていたら、注文していた料理が運ばれてきて店員さんが一言、「おいしく食べてね」と彼女の母語で、笑顔で言ってくださいました。彼女にとっては普段から言っている当たり前の言葉なのかもしれないし、もしかしたら皮肉だったのかもしれない。だけど、少なくとも私は彼女なりの優しさであり、本心であり、第一印象だけで私が誤解してしまったのではないかと恥ずかしくなりました。そしてそれと同時に「またこの店に来たいな」と思いました。
個人で経営しているお店はここだけで、もっと大きく、丁寧に英語で対応してくださった素敵なお店はたくさんありましたが、私の記憶に最も深く刻まれたのはこのお店でした。韓国には中学生のころからずっと興味があって好いていた半面、反日感情を抱く人も多いと聞いて、「日本人は韓国の一部の人々から嫌われている」という偏見や恐怖心を少なからず抱いてしまっていましたが、今回の経験でそんな自分が悔しく、また情けなくなりました。歴史的、政治的な関係は難しく、事実として韓国には未だ反日感情を抱く人々がいるのかもしれません。しかし、それは日本に反韓感情を抱く人が少数ながらいるのと同じことであり、決してそれが全てではないのです。「百聞は一見に如かず」を身をもって体感することができた7日間でした。
ー最後にー
最後に、私は本プロジェクトに参加したことで視野が広がり、韓国に対する理解が深まったと同時に自分の未熟さも学ぶことができました。それに加えて韓国だけでなく日本全国にいる参加学生との繋がりができ、大学内だけでは作れなかったコミュニティを作ることができました。そして帰国後も彼らと、日本と韓国の懸け橋になるための試行錯誤をすることができて非常にうれしく思っています。まだ規模は大きくありませんが不定期でオンラインによる日韓交流会を開催しているのでご興味のある方はぜひご連絡ください。
私は国際学部生のため、世界数カ国の文化や歴史、国同士の政治関係などを幅広く学んできました。しかし、幅広いからこそあまり深堀りできず悩んでいた時にこのプロジェクトを見つけ、勇気を振り絞り足を踏み出しました。もちろん、挑戦すること全てが上手くは進みませんが、挑戦しなくては成功もしないと考えます。ありきたりな言葉ではありますが、皆様にはぜひ様々なことに勇気を出して挑戦して欲しいと思います。
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