『イスラム国・衝撃の近未来』矢野義昭(拓殖大学客員教授)著
掲載日:2015年04月14日
今年に入り、日本人が巻き込まれるテロ事件が立て続けに起こっています。日本も、テロの脅威が身近に感じられる時代になりました。
テロ組織としていま世界の注目を集めているのが、「イスラム国」です。彼らは何を目指し、だれが育てたのか、「イスラム国」は崩壊するのか、これらの疑問について、イスラム教の教義、歴史、周辺国の立場も踏まえ、軍事的視点を焦点に、幅広く分析しています。
さらに、先鋭化するテロの実態と欧米でのホームグロウンテロの問題についても、現地情報に基づき深く掘り下げます。
最後に、世界と日本がこれらの脅威にどう対応しようとしているのか、残された課題は何かについて、実務者の立場から提言しています。
化学剤・生物剤・放射性物質・核・爆発物を用いたテロ、サイバーテロ、邦人救出、原発警備、従業員をテロから守るための管理者の心得など、個別の問題についても、具体的に論じています。
身近になったテロの脅威の実態を知り、具体的な対応策を考えるうえでの好著として、是非一読をお薦めします。
出版社・発行
育鵬社/平成27年
著者
矢野義昭(やの・よしあき)
昭和25(1950)年大阪市生まれ。京都大学工学部、同文学部卒業。博士(安全保障、拓殖大学)。現在は拓殖大学客員教授、岐阜女子大学客員教授、日本経済大学大学院特任教授、国家生存戦略研究会会長。元陸上自衛官として第1師団副師団長兼練馬駐屯地司令、陸上自衛隊小平学校副校長などを歴任(陸将補)。専門は、核抑止論、テロ問題、情報戦の研究。著書に『核の脅威と無防備国家日本』(光人社)、『日本の領土があぶない』(ぎょうせい)などがある。