『社会的共通資本としての森』宇沢弘文・関良基(拓殖大学政経学部准教授)編著 | 大学 | ニュース一覧 | 拓殖大学

『社会的共通資本としての森』宇沢弘文・関良基(拓殖大学政経学部准教授)編著

掲載日:2015年04月17日

150417seki.jpg昨年9月に逝去された世界的経済学者である宇沢弘文先生が生前に自ら編集された本です。社会的共通資本概念の深化を目指し編集されてきた社会的共通資本シリーズの一環として森林を扱った内容です。社会的共通資本の考え方に注目が集まっている中、本書においては森林を事例としながら、社会的共通資本のネットワークは、人間の経済活動・制度資本・自然環境などが相互に作用しながら共進化し、生成・発展していくシステムであると捉え、社会的共通資本概念の深化を試みました。

また、社会的に関心の高い森林の「緑のダム」機能に関しても、最新の研究成果が盛り込まれています。私の担当章では、利根川を事例に森林が質的に回復すればダムを上回る治水機能の向上があることを実証しています。

出版社・発行

東京大学出版会/平成27年4月10日発行

共著者

090218seki02.jpg関 良基 (せき よしき)
拓殖大学政経学部准教授。1969年信州上田生まれ。京都大学大学院農学研究科博士課程修了。博士(農学)。早稲田大学助手、(財)地球環境戦略研究機関・客員研究員などを経て、2007年より拓殖大学政経学部に赴任。主な著書に『複雑適応系における熱帯林の再生』『中国の森林再生』(ともに御茶の水書房)など。