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『社会的共通資本としての水』関良基(政経学部准教授)・まさのあつこ・梶原健嗣著

掲載日:2015年05月15日

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これからの水と人間の付き合い方を多面的に考察した本です。恵みをもたらす「利水」、災いを防ぐ「治水」、いのちの水をはぐくむ「環境」という三部構成になっています。

水の供給に関しては、官僚による恣意的な水需要予測が不要なダムが建設を生んでいること、さりとて市場原理に委ねた資源配分をしても社会的不安定性を引き起こすこと、水を社会的共通資本として管理し、社会のさまざまなステークホルダーが関与して合意形成を図っていく必要性があることなどを論じています。

水害を防ぐための治水に関しては、官・業・学が癒着した「河川ムラ」による「ダムありき」の不合理な意思決定の問題を浮かびあがらせ、住民参加による河川整備の必要性を訴えています。

 

出版社・発行

花伝社/2015年5月1日

 

共著者

090218seki02.jpg関 良基 (せき よしき)
拓殖大学政経学部准教授。1969年信州上田生まれ。京都大学大学院農学研究科博士課程修了。博士(農学)。早稲田大学助手、(財)地球環境戦略研究機関・客員研究員などを経て、2007年より拓殖大学政経学部。主な著書に『社会的共通資本としての森』(宇沢弘文氏との共著、東京大学出版会)『中国の森林再生』(御茶の水書房)など。