『災害対処の文化論Ⅱ~室町・織豊期の地震災害と対処の文化~』概要 小林 健彦(大学院言語教育研究科 客員教授 )著 | 大学 | ニュース一覧 | 拓殖大学

『災害対処の文化論Ⅱ~室町・織豊期の地震災害と対処の文化~』概要 小林 健彦(大学院言語教育研究科 客員教授 )著

掲載日:2015年09月28日

『災害対処の文化論Ⅱ~室町・織豊期の地震災害と対処の文化~』概要 日本列島の中では、文献史資料を駆使して確認を取ることが可能な、古代以降の時期に限定して見ても、幾多の自然災害―気象災害、津波や地震災害、火山噴火、及び、伝染病の蔓延等―に見舞われ、その度に住民等はそれらへの対処を迫られた。日本の各地域に於いても、当該地域特有の気象条件より齎されるものを始めとして、大風、大雨、雪害、洪水、旱魃、地震、津波、そして、疫病の流行といった災害が発生当時の民衆に襲い懸かっていた。しかし、民衆はそれらの災害を乗り越えながら、現在へと続く地域社会を形成し、維持、発展させて来たのである。ただ、地震に限定してみた場合、そこには一定の周期や活動期の存在が明らかになりつつある。特に近世初頭に当たる慶長年間には、日本史史上でも特筆すべき大規模地震が頻発し、多大な被害を発生させていた。豊臣秀吉でさえも、実は、命辛々、地震被害より助かっていたのである。日本人に依る地域社会の形成は、災害に依る被害とその克服の歴史であると言っても差し支えは無いであろう。筆者は従前より、当時の人々がこうした災害を如何にして乗り越えて来たのかという、「災害対処の文化史」を構築するのに際し、文化史的、文化論的な側面よりその検証作業を行なっている処である。
本書は、そうした点を考慮し、先ず、室町期に於ける震災の様相を検証し、後半部分では、引き続いて、大規模地震が頻発していた慶長年間に焦点を当てながら、文献史学の分野より接近可能な事象に就いて、その事例検証と、当時の人々に依る対処法とに就いて、それらを文化論として検討を加えたものである。


出版社 / 発行

ディー・エル・マーケット株式会社(DLMarket Inc)/ 2015年8月18日

著者

大学院言語教育研究科 客員教授 小林 健彦 小林 健彦(こばやし たけひこ)
昭和37年(1962)生まれ。新潟県出身。中央大学文学部史学科国史学専攻卒業。学習院大学大学院人文科学研究科史学専攻博士後期課程満期退学。
現職は拓殖大学大学院言語教育研究科 客員教授、及び、新潟産業大学経済学部 准教授。専攻は日本語運用史、災害対処文化論、対外交渉史。
著作は『定本 上杉謙信』(共著書、高志書院、2000年)、『越後上杉氏と京都雑掌』戦国史研究叢書13(単著書、岩田書院、2015年)、『韓半島と越国(こしのくに) ~なぜ渡来人は命がけで日本へやって来たのか~』[Kindle版]〔単著書、BookSpace (2015/6/13)、販売:Amazon Services International, Inc. 〕(後に DLMarket Inc)、『災害対処の文化論シリーズ Ⅰ ~古代日本語に記録された自然災害と疾病~』[Kindle版]〔単著書、BookSpace(2015/7/1)、販売:Amazon Services International, Inc. 〕(後に DLMarket Inc)、『災害対処の文化論シリーズ Ⅱ ~室町~織豊期の地震災害と対処の文化~』[Kindle版]〔単著書、BookSpace(2015/7/17)、販売:Amazon Services International, Inc. 〕(後に DLMarket Inc)、『災害対処の文化論シリーズ Ⅲ ~新潟県域に於ける謎の災害~』〔単著書、販売:DLMarket Inc(2015/8/13)〕、等がある。