『風の本 ― 〈枕草子〉のための30のエスキス』 相沢正一郎(商学部非常勤講師)著
掲載日:2015年12月21日
眉にしわを寄せずに、寝そべって読んでください。眠ってしまったって、かまいません。
あかるい月の夜に川をわたる牛車の車輪に砕け散った水晶の水。節分のころの菖蒲の残り香。着物を取りあげると漂うたきしねた薫物。衣擦れの音。
冷蔵庫の唸り声に、あなたが目をさますと、テーブルの上のピザの匂い。......めでたきもの。くちおしきもの。うれしきもの。うつくしきもの ― 千年前の草紙と同じように、詩集のページの陰にきっとあなたが隠れています。
出版社 / 発行
書肆山田/2015年11月
著者
相沢正一郎(あいざわ しょういちろう)
1950年、東京生まれ。拓殖大学商学部卒業。詩人。2005年『パルナッソスへの旅』でH氏賞、『テーブルの上のひつじ雲/テーブルの下のミルクティーという名の犬』で藤村記念歴程賞。詩の朗読とロックやクラシック、舞踏との競演などでも知られる。ほかに『リチャード・ブローディガンの台所』、『ふいに天使が きみのテーブルに着いたとしても』、『ミツバチの惑星』など。