ジョアン・ギマランイス・ホーザ著『最初の物語』 高橋都彦(拓殖大学名誉教授)訳 | 大学 | ニュース一覧 | 拓殖大学

ジョアン・ギマランイス・ホーザ著『最初の物語』 高橋都彦(拓殖大学名誉教授)訳

掲載日:2018年07月03日

ジョアン・ギマランイス・ホーザ著『最初の物語』

著者は1908年、ブラジル南東部地方ミナス・ジェライス州の農牧畜の町コルジスブルゴに生まれ、1967年、同国リオデジャネイロに没した。外交官で作家。作品は長編『大いなる奥地』(1956年:英語訳からの重訳『世界文学大系83』中川敏訳、筑摩書房、1976年)、単・中編集『舞踏団』(1956年)、短篇集「サガラーナ」(1946年),『最初の物語』(1962年)など数は多くはないが故郷のミナス地方の奥地の豊饒な自然、動植物相を背景に、ジェイムス・ジョイス並の実験的な文体を駆使して語られる物語は、欧米で特に評価が高い。本書『最初の物語』は、21の物語から構成され、各物語の主人公は、ずば抜けた才能をもつ子供や青年、聖人、ならず者、一種の悟りを開いた、精神を病んだ者たちである。作品のトーンも喜劇的、悲喜劇的、抒情的、幻想的、神秘的、皮肉的と多様性に富み、主人公たちの心に秘めたいわば秘密が象徴的に描かれている。本書が全体的に邦訳されたのは、これが初めてである。

出版社

水声社

発行日

2018年5月15日

著者

1943年、東京都に生まれる。
1971年3月、東京外国語大学大学院外国語研究科(ロマンス系言語専攻)修士課程修了
1979年4月 拓殖大学商学部専任講師
1989年4月 助教授を経て教授
2014年3月 拓殖大学を定年退職

現在:拓殖大学名誉教授
専門:ポルトガル語学、ポルトガル語文学

[主要著書]
『現代ポルトガル語辞典』(共著、白水社、初版1996年、改定版2005年、第3版2014年)
『ブラジル・ポルトガル語の基礎』(白水社、2009年)

[主要訳書]
クラリッセ・リスペクトール著『G・Hの受難/家族の絆』(共訳、集英社、1984年)
フェルナンド・ぺソア著『不安の書』(新思索社、2007年)
ジョルジ・アマード著『老練な船乗りたち』(水声社、2017年)