朝日教育会議2020「変革の時代を楽しむ~SDGsで拓く未来~」が開催されました
掲載日:2020年12月03日
11月21日(土)、朝日教育会議2020「変革の時代を楽しむ~SDGsで拓く未来~」が開催されました。朝日教育会議(主催:朝日新聞社)は「教育の力で未来を切り拓く」をテーマにした連続フォーラムで、本学は2018年の第1回より共催しています。3回目となった今回は「変革の時代を楽しむ~SDGsで拓く未来~」をテーマとして全3部構成、インターネットライブ配信で実施されました。
共催者挨拶で川名明夫学長は、本学の創立当初からある「現地の人々に根ざした支援」という建学の理念は、多くの点でSDGs活動と方向性を一つにするものであり、これまでも授業やゼミナール、課外活動においてSDGsの観点を取り入れた教育活動を行うなど、本学の取り組みについての紹介がありました。
第1部は、「明日の世界のために私たちができること」をテーマに、モデルの冨永愛さんが基調講演をされました。世界を舞台に活躍される冨永さんは、2019年に消費者庁エシカルライフスタイルSDGsアンバサダーに就任され、ファッション業界の最前線でいかにSDGsが意識されているか、また女性のいのちと健康を守るために活動する国際協力NGOジョイセフの活動で、アンバサダーとしてアフリカの現地に自ら出かけられた支援活動について写真を通して報告されました。
左:朝日新聞社教育コーディネーター 一色清氏 右:冨永愛さん
三田国際学園高等学校3年 横山景星さん
第2部では、「拓殖大学のSDGs」をテーマに、本学のSDGsの代表例として二組が登壇しました。一組目は、「私の考えるSDGs」をテーマに開催された第21回全国高校生・留学生作文コンクールで最優秀賞である後藤新平賞を受賞した三田国際学園高等学校3年の横山景星さん、二組目は国際学部藍澤ゼミナールです。
横山さんは、コンクール受賞作品でも取り上げられた、ご自身のお祖父様が始めたネパールでの支援活動が多くの苦難に遭遇するも実を結び、現在も現地に確かな支援のサイクルが持続しているという現状を報告されました。
国際学部藍澤ゼミナールは、マレーシア国ロクウライ村でのプラスチックゴミのリサイクルを目指した啓発活動に取り組み、大学内のゼミで設定した課題意識やシミュレーションが、ひとたび現地に赴くと事前の想定とは大きく異なるハプニングに直面しながらも、いかに今後の活動に繋がる軌道修正が出来たのかを、映像など臨場感のある資料とともに報告されました。
国際学部 藍澤淑雄准教授 高橋亜紗美さん 佐藤優香さん
第3部のパネルディスカッションでは、「わたしたちのSDGs」をテーマに、川名明夫学長、第1部に登壇された冨永愛さんに加えて、石坂産業株式会社 代表取締役 石坂典子さん、石川一喜国際学部准教授が登壇しました。
川名明夫学長は持続可能な開発目標であるSDGsを教育活動において展開し、拓殖大学の人材育成に繋げたいと語りました。
冨永愛さんは、スーパーマーケットで生鮮食品を購入する場合等でも、商品だけではなくその包装にまで目を配ると多くの無駄が含まれていることを例に、商品の製造過程全体に目を配り意識的に消費活動を行うことがエシカル消費の第一歩であると語りました。
石坂典子さんは、製品製造段階において人にとっての利便性や快適さを高めるため用いられる化学物質がリサイクル作業を複雑にし、結果的に再資源化コストの上昇を引き起こしていること、また、石坂産業を例に産業廃棄物という今まではマイナスのイメージで捉えられがちであった業態が、より肯定的なイメージに変わってきており、海外でも同様に「自分達は資源再生する会社」という意識を多くの企業が持つに至り、現在では就きたい職業の上位に挙げられる事例もあることなどが報告されました。
石川一喜国際学部准教授は、SDGsの最先端タウンと言われるイギリスのトットネスに長期滞在する中で感じた、世界的な機運の高まるSDGsの理想とその現実や、昨今増えつつある企業のSDGs活動には消費者に聞こえの良いキーワードを使用した外見だけの活動を実施する事例の紹介や、教育現場におけるSDGs教育について導入段階から学校全体での取り組みにまで発展させていく重要性等が語られました。
石坂産業株式会社 代表取締役 石坂典子さん