『ベルギーの「移民」社会と文化―新たな文化的多層性に向けて―』井内千紗(商学部助教)編著 | 大学 | ニュース一覧 | 拓殖大学

『ベルギーの「移民」社会と文化―新たな文化的多層性に向けて―』井内千紗(商学部助教)編著

掲載日:2021年03月10日

ベルギーの「移民」社会と文化―新たな文化的多層性に向けて―

■ベルギーの「移民」社会と文化―新たな文化的多層性に向けて―
本書は、移民受け入れ国家として日本であまり注目されることのないベルギーを検討対象に、「移民」を解決すべき問題ではなく、文化的多様性の醸成や芸術活動の活性化に寄与するものであるという視点から、「移民」の創造的側面を考察する論文集である。
まず序章でベルギーにおける移民史を概観し、第1部では語学教育、宗教的・道徳的教育、及び芸術文化政策を軸に、政治・社会的制度の背景を確認する。続く第2部では文化的実践がいかにベルギーの文化的多層性やアイデンティティ形成の一端を担っているか、美術、映画、文学、音楽、舞台芸術を事例に分析・考察する。さらに、本書ではベルギーの社会・文化事象を多角的に捉えるため、ベルギー在住のライターによる移民地区・難民キャンプ散策記録や、シャンソン、サッカーをテーマにしたコラムも収録している。
以上をとおして、「移民」文化がベルギーの文化的多様性や芸術活動の活性化に深く関わっていることを明らかにし、多層的で動的な、新たなベルギーの文化的アイデンティティを呈示する。

出版社

松籟社

発行日

2021年2月28日

著者

井内 千紗(いのうち ちさ)
拓殖大学商学部助教。
大阪大学大学院言語文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。(独)国立文化財機構東京文化財研究所アソシエイト・フェロー、国際短期大学専任講師などを経て2020年から現職。
著書に『「ベルギー」とは何か─アイデンティティの多層性─』(共著、松籟社)、『現代ベルギー政治─連邦化後の20年─』(共著、ミネルヴァ書房)、訳書にアンネリース・ヴェルベーケ(著)『ネムレ!』(松籟社)などがある。