第5回拓殖大学・ナレースワン大学共催日本語教育研修会をオンライン開催しました

掲載日:2021年03月19日

3月13日、14日の二日間にわたり、拓殖大学・ナレースワン大学共催の「第5回日本語教育研修会」をオンラインで開催しました。ナレースワン大学はタイ北部のピサヌローク県にある国立大学で、6年前より本学とともに、ピサヌローク近郊の中等教育機関等で日本語を教えるタイ人教員、日本人教員を主な対象に当研修会を実施してきました。今回はコロナ禍の中、Zoomによるオンライン開催という初の試みとなりましたが、双方の協力のもと2日間で延べ80名を超える方が参加し、大変実りある研修会となりました。

今回のテーマは非漢字圏の学習者に対する漢字指導法で、本学から外国語学部国際日本語学科の中村かおり准教授と別科日本語教育課程の伊藤江美講師が、非漢字圏の学習者の負担を減らす漢字学習法「拓大メソッド」(「Kコード」を用いた漢字の字形学習と語彙先習学習)に関する講演とワークショップを行いました。

1日目は、第1部で中村准教授による講演が行われ、「拓大メソッド」の概要と別科日本語教育課程の入門漢字クラスにおける実践等が紹介されました。同メソッドで使われる「Kコード」とは、本学大学院言語教育研究科博士課程出身のシヌーシ・イマーン・タハさんが提唱する漢字字形の認識法に基づき、漢字の字形を6つのコードに分類するという画期的な学習法です。2日目は、伊藤講師によるワークショップが行われ、参加者はグループワーク等を通して「Kコード」を使った説明方法等を実践的に学び、理解を深めました。

また、1日目の第2部では、タイのウィッタヤーヌクンナーリー高等学校のジラーポーン・カムポーン教諭とナレースワン大学人文学部の宮崎裕明講師が漢字教育について報告し、学生の興味を高めるための意欲的な取り組みが紹介されました。

このほか、1日目の最後には、本学別科日本語教育課程修了生で大学院地方政治行政研究科修士課程1年のルートラムナオチャイ・シラダーさんが本学の学部や別科等の概要をタイ語で紹介し、タイ側の参加者に本学をPRしました。

今回はオンライン開催となったことから、タイの先生方だけでなく、本学からも別科をはじめ学部や大学院の日本語教育関係の教員および学部(外国語学部と国際学部)と大学院(言語教育研究科)の学生が多数参加することができました。終了後のアンケートでは、「得るものが多かった」、「初めてKコードを知ったが、とても面白い。漢字の授業で使ってみたい」といった声が聞かれ、非常に有意義な研修会となりました。

タイ国内では、日本語の学習熱が高まっており、日本語教育の充実、日本語教員の教育技術のレベルアップが望まれています。今回のオンライン研修会の成功により、本学とタイ・国立ナレースワン大学との協力関係が強化され、より活発な相互交流が実現することが期待されます。

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研修会の概要を伝えるタイ語のスライド

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中村かおり准教授の講演の様子

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伊藤江美講師のワークショップの様子

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本学からも教員・学生が参加