『東日本大震災からの復興過程と住民意識―民主制下における復旧・復興の課題』岡田陽介(政経学部准教授)共著 河村和徳・岡田陽介・横山智哉 編著 | 大学 | ニュース一覧 | 拓殖大学

『東日本大震災からの復興過程と住民意識―民主制下における復旧・復興の課題』岡田陽介(政経学部准教授)共著 河村和徳・岡田陽介・横山智哉 編著

掲載日:2021年11月18日

東日本大震災からの復興過程と住民意識―民主制下における復旧・復興の課題

2021年3月で東日本大震災の被災地は発災から10年を迎えた。これにあわせて復興期間は終了し、2021年度から東日本大震災の津波被災地は「ポスト復興」という新たなステージに入る。10年という復興期間の後半部分にあたる「復興・創生期間」では、様々な被災地支援策によって被災地は自立し、地方創生のモデルになりうる「新しい東北」の姿を想像することが期待された。
本書は、復興・創生期間中に被災地の住民に対して実施した意識調査を中心に彼らの震災復興に関する意見や態度などを分析する第1部と、震災記憶の風化と風評払拭という「2つの風」に対する被災自治体の取り組みにも注目して考察する第2部の2部構成を採る。
(はじめにより)

- 目次 -

復興・創生期における原発事故避難者たちの共助環境―2017年における福島県の状況から(溝井勝博・河村和徳)

福島市における原発避難者支援に対する「複雑な感情」―被災地に住む非被災者の意識に注目して(河村和徳)

被災地における「被災者」への生活支援と政策評価―福島市民意識調査2015の結果から(茨木瞬)

主観的被災者意識と投票参加―東日本大震災と令和元年東日本台風による被害の分析(岡田陽介)

被災地の有権者意識に見られるジェンダーギャップ―ジェンダーステレオタイプを鍵として(遠藤勇哉)

福島県民は「風評被害」という言葉をどのように捉えているのか―県内地域における「風評被害」に関するイメージの特徴と差異(横山智哉)

放射線災害地域の食品に対する福島県民の態度―COVID-19患者の発生状況に着目した行動免疫システムの活性化と原発関連情報への接触頻度の効果(横山智哉)

決めることができるのは誰か?―ALPS処理水海洋放出をめぐる政治意識調査と政治過程(田川寛之)

 東日本大震災と地方外交―宮城県の事例から(李鎮遠)
10
震災復興とラグビーW杯―祝祭に隠れた釜石市の選挙を意識して(伊藤裕顕)
11
被災地から考える復興五輪―復興ありがとうホストタウン事情と野球・ソフトボール福島開催に対する賛否を手がかりに(河村和徳・伊藤裕顕)
12
震災追悼式・震災遺構と社会関係資本―継続・保存の促進要因と阻害要因(岡田陽介)
13
宮城県山元町における創造的復興―「課題先進地」の取り組みから考える地域再生(高選圭)

出版社

木鐸社

発行日

2021年10月

著者

岡田 陽介(おかだ・ようすけ)
2010年学習院大学大学院政治学研究科博士後期課程修了。博士(政治学)。慶應義塾大学法学研究科助教、立教大学社会学部助教、拓殖大学助教(2017年4月)を経て、2019年4月より現職。投票参加を中心とした投票行動研究に従事。著書として『政治的義務感と投票参加―有権者の社会関係資本と政治的エピソード記憶』(木鐸社/2017年)、『基礎ゼミ政治学』(共著/世界思想社/2019年)、『民主政の赤字―議会・選挙制度の課題を探る』(共著/一藝社/2020年)など。