『企業内訓練校の教育システム―連携と共育による中核技能者育成―』(拓殖大学研究叢書(社会科学)54) 島内高太(商学部教授)著
掲載日:2022年04月01日
『企業内訓練校の教育システム―連携と共育による中核技能者育成―』拓殖大学研究叢書 (社会科学)54
世の中には沢山の企業がありますが、高い国際競争力を持つ企業のなかには社内に学校をつくりコア人材を育成しているものがあります。トヨタ、日産、マツダなどの自動車メーカーや大手自動車部品メーカーなども、製造現場を牽引する中核技能者を企業内訓練校で育成しています。本書は、著者がそうした訓練校を訪ねて収集したデータに基づいてまとめたものであり、ものづくり優良企業の人材育成の特徴の一端を描き出しています。
本書のエッセンスについては、サブタイトル「連携と共育」で表現しました。企業内訓練校では、研修を実践的なものにするために現場で活躍する方々に指導員を依頼しているのですが、実はそのことは指導員を担う方々の学びの機会にもなっているのです。このように、本書では企業内訓練校を運営する企業の事例から、訓練校と現場が連携して人材育成を行うことで訓練生と指導員が共に育つという論理を抽出しています。
研究書ではありますが、研究者や人材育成担当者の方だけでなく、ものづくりや人材育成に関心のある学生さんにも読んで頂ければと思っています。
序 章 企業内訓練校へのアプローチ―課題と方法―
第1章 企業内訓練校の存在意義と人材育成の構造
第2章 養成工制度の展開と役割
第3章 企業内訓練校の教育システム―連携と共育の論理と実態―
第4章 「現場人材活用型教育体制」の効果とマネジメント
第5章 心身教育の目的・方法と発達支援関係
第6章 企業内訓練校のグローバル化
終 章 企業内訓練校における教育システムの複眼的管理
出版社
晃洋書房
発行日
2022年3月10日
著者
島内 高太(しまうち こうた) 拓殖大学商学部教授
中央大学商学部卒業。中央大学大学院商学研究科博士課程後期課程修了。博士(経営学)
津市立三重短期大学准教授、拓殖大学准教授を経て、2020年4月から現職。中央大学企業研究所客員研究員、中央大学経済研究所客員研究員、明治大学経営学部兼任講師。主な著書に『Industrial Renaissance: New Business Ideas for the Japanese Company』(Chuo University Press、共著)、『現代企業の社会性』(中央大学出版部、共著)、『現代日本企業の競争力―日本的経営の行方―』(ミネルヴァ書房、共著)などがある。