国際日本文化研究所 研究会が開催されました

掲載日:2022年07月27日

国際日本文化研究所の主催する研究会が、令和475日(火)文京キャンパスで行われました。今回は講師に土居征夫先生(一般社団法人「世界のための日本のこころセンター」代表)をお招きし、「次世代のリーダー育成と日本型リベラルアーツ」というテーマでご講演を頂きました。

土居先生は東京大学法学部卒業、通商産業省生活産業局長を退官された後、民間企業の役員等を経て、新しい青少年教育のあり方を模索し、第一次安倍内閣教育再生会議担当室長代理、武蔵野大学客員教授などを歴任され、現在は国際社会における日本の文化を見つめ、それを生かした「日本型リベラルアーツ」の再興築を提唱され、「自啓共創塾」をスタートし、次世代を担う青少年の教育に心血を注いでいます。

講演は学生時代の禅との出会い、通産省時代のご体験から説き起こし、自啓共創塾の具体的な活動を明らかにされた上で、西欧型のリベラルアーツはもちろん重要であるが、それだけでは世界・人類に日本ならではの新しい価値をもたらす貢献はできない、日本の教育を再生するためには、日本のこころの源流を知り、歴史、古典、精神文化一般に触れる学びを行わなければならないと力説されました。その上で最後に「大学による本来教育として、また社会人等のリカレント教育の一環として『日本型リベラルアーツ』学習の採用の検討をお願いできないか」との提案がありました。

土居先生の「日本型リベラルアーツ」再興築の志とその具体的な内容については、同先生監修の『世界のための日本のこころ その源流を探り未来を共創する─自ら学ぶための15の視点─』(かまくら春秋社、2021年)に詳述されていますが、それは弊研究所の研究テーマ、そして日本文化の教養を現代の教育にどのような形で組み込んでいくかという課題とも重なる点が多く、参加した福田勝幸理事長、各所員から次々とコメントや質問が寄せられ、予定の90分間があっという間に過ぎてしまうほど充実した研究会となりました。

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