朝日教育会議2022「一人ひとりが輝ける社会へ ボーダーレス時代の挑戦」が開催されました

掲載日:2022年11月11日

2022年10月8日(土)、朝日新聞社と主催の朝日教育会議2022「一人ひとりが輝ける社会へ ボーダーレス時代の挑戦」が開催されました。「教育の力で未来を切り拓く」をテーマにした連続フォーラムに、本学は2018年の第1回より共催しています。5回目となった今回は全3部構成、インターネットライブ配信で実施されました。

共催者挨拶で鈴木昭一学長は、拓殖大学が様々な課題を抱える国際社会で積極的にチャレンジしていく、タフな人間力を持った人材を育成するには、多様な価値観を相対化しSDGsへの高いコミットメントを実現することが大学の使命であると考えていると、今回のシンポジウム開催への思いを語りました。

基調講演では元厚生労働事務次官の村木厚子さんが、「つながる社会が社会を変える」をテーマに、身に覚えのない罪で拘置所に収監されることになった時に、弁護士や家族、拘置所の人々と接する中で支える側だと思っていた自分が支えられる側になって初めて「支える人と支えられる人の壁」の存在に気づき、自身の感情が変化していったことを、実体験を紹介しながら語られました。

鈴木昭一学長

鈴木昭一学長

村木厚子氏(元厚生労働事務次官)

村木厚子氏(元厚生労働事務次官)

第2部の学生プレゼンテーションでは、大塚慎也(国際学科1年)さん、石川ゼミナールを代表して齊藤美空(国際学科3年)さん、蓮見咲良子(国際学科3年)さんが登壇しました。大塚さんは、「ボーダーレス社会、ひとりひとりの在り方」をテーマに高校時代の留学先でホームステイ先のホストファミリーとの交流や、大学に入学してから同級生である海外出身の友人との交流から学んだ人間関係のあり方について「IとYou」をキーワードに発表を行いました。齊藤さんと蓮見さんは、石川ゼミナールで実施している八王子市内にある子ども食堂での、子ども達を対象とした食育活動について「三方良しでボーダーレスの持続化へ」というテーマで発表を行いました。持続可能な社会の実現には「きっかけづくり」が重要であり、その実現には近江商人達が提唱した「三方良しの精神」が重要であると語りました。

大塚慎也さん

大塚慎也さん

左:蓮見咲良子さん 右:齊藤美空さん

左:蓮見咲良子さん 右:齊藤美空さん

第3部のパネルディスカッションでは朝日新聞社ジェンダープロジェクト担当補佐の井原圭子さんをコーディネーターにNPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さん、村木厚子さん、甲斐信好拓殖大学副学長が登壇し、「ボーダーレス化は社会に何をもたらすのか」をテーマにディスカッションを行いました。大空さんは自身が運営するNPO法人「あなたのいばしょ」では24時間365日チャットで相談できる体制を整えており、アクセスのバリアフリーを実現しているが、そのような体制がなぜ求められているのか、また支えるボランティアスタッフの心のあり方等についてボーダーレスという観点から語られました。甲斐信好副学長、専門とするアフリカで、国境というボーダーがヨーロッパの都合で強引に引かれたことにより起こった紛争の事例や、自身の教え子であった女性がアフリカで井戸を掘りたいという志を持ち、実際に現地で職を得るまでに女性だからという理由で乗り越えなくてはいけなかった様々な挑戦について話されました。村木厚子さんは、大小の支援機関がバラバラに活動していく支援ネットワークをいかに繋げていくかが今後の課題で、自身は「応援団の応援団」として社会の中に小さな応援団を増やす活動を続けていきたいと思いを語りました。

大空幸星氏

大空幸星氏

甲斐信好副学長

甲斐信好副学長

※本フォーラムは11月4日(金)、朝日新聞朝刊に採録紙面として掲載されました。
 また、当日のダイジェスト動画は下記のページからご覧頂けます。
 朝日教育会議(拓殖大学)