国際日本文化研究所 研究会が開催されました
掲載日:2022年12月23日
国際日本文化研究所の主催する研究会が、令和4年12月12日(月)13:00~15:00、文京キャンパス会議室で行われました。報告者は研究所のモロジャコフ・ワシーリー教授で、今回は「欧米人からみた台湾総督府の阿片政策─衛生、政治、国際PR─」と題して最新の研究成果を披露しました。
モロジャコフ教授はこれまで研究所の紀要『国際日本文化研究』に論文「フランス知識人が見た日本の大陸・植民地政策」を5回にわたって連載しています。ロシア人研究者の視点から日中戦争期のフランスが見た日本の大陸政策を考察したもので、その複眼的アプローチは興味深いものがあります。
今回の研究会でモロジャコフ教授はさらに多彩な複眼的アプローチを用い、台湾総督府の阿片政策が、イギリス、フランス、ドイツ、ロシアの識者からどのように見られていたかを、彼らの言論を通して多角的に浮き彫りにしました。とくにロシアやフランスの側から見た阿片政策という視点は珍しいもので、参加者もその新鮮な検証に大きな刺激を受けました。
当日はまず同じ専門領域の伏見岳人東北大学教授、渡辺利夫拓殖大学学事顧問(日本文化研究所前所長)から鋭く的確な感想と質問が出され、それに刺激されて意見が続出し、大きな盛り上がりを見せました。予定の90分を過ぎてもなお質疑応答が続く勢いで、まことに充実した研究会となりました。