拓殖アーカイブズ事業室が国立台湾図書館で「後藤新平文庫」の調査を行いました

掲載日:2023年05月11日

拓殖アーカイブズ事業室は、5月3日~8日、国立台湾図書館との学術交流に関する協定(令和5年3月3日締結)の主旨に基づき、その学術交流プロジェクト第1号として、台湾と本学との深い絆を象徴する第3代学長後藤新平の名を冠した国立台湾図書館所蔵「後藤新平文庫」の調査を行いました。

「後藤新平文庫」は、後藤家ゆかりの団体から1939年、台湾総督府図書館に寄贈されたものです。台湾総督府図書館を引き継いだ国立台湾図書館(旧国立中央図書館台湾分館)は、戦時下の空襲、戦後の度重なる書庫の移動等を経て、現在、これを特別書庫に収蔵し、一般の閲覧はもちろん、書庫への立ち入りさえ厳重に制限して、大切に保管しています。今回の調査は、館長の特別許可と、館員各位の協力を得て、はじめて実現したものです。

調査に参加したのは、拓殖アーカイブズ事業室の長谷部茂主幹と東北大学の伏見岳人教授の二人。伏見教授は長年、後藤新平関係文書の発掘、調査に従事されている後藤新平研究のエキスパートで、本学国際日本文化研究所の客員研究員でもあります。

調査では、約4000冊に及ぶ書籍をほぼ網羅的に閲覧し、所蔵印、寄贈印や書き込みの有無を確認して、寄贈から現在まで100年近くを経た同文庫の実態を確認しました。調査報告にはまだ時日を要しますが、同様の経緯で後藤家から寄贈された本学版「後藤新平文庫」との比較も今後の興味あるテーマです。

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後藤新平直筆の書き込みのある蔵書

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「後藤新平文庫」の一部