『経済主体の日本金融論』高橋智彦(政経学部教授)著 | 大学 | ニュース一覧 | 拓殖大学

『経済主体の日本金融論』高橋智彦(政経学部教授)著

掲載日:2023年06月28日

『経済主体の日本金融論』

本書の大きな特徴は国民経済計算体系(SNA)の枠組みで金融と経済の関係を理解しようとするところです。さらに最新の金融政策や規制、キャッシュレスなど機能別の金融行動も解説しています。対象としては各種金融機関と経済の関係を学びたい学生や社会人、金融関連の資格を取得したい人、金融基礎教育の一環として金融リテラシーを身に付けたい人などが想定されています。

全4部、16章からの構成となり、BOXでトピックス的なこと、用語集で少し難しい用語などについて執筆しています。 第Ⅰ部「各経済主体と金融」では家計や事業法人、金融機関、政府、海外部門、(対家計)民間非営利団体といった各経済主体の金融を巡る動きがどうなっているかを図や表とともに説明しています。日本の家計や事業法人の貯蓄超過が政府や海外の資金不足を埋めている構図や国際収支統計にも触れています。そして近年は注目も増してきているNPO(民間非営利団体)の金融も扱っています。

第Ⅱ部「中央銀行と政策」では各経済主体の活動に大きな影響を与える中央銀行の政策や独立性を説明しています。第Ⅲ部「規制と金融」ではバーゼル委員会などの金融を巡る規制が金融の在り方に大きな影響を与えていて、現在はどのように変化してきたかを示しています。最後に第Ⅳ部「機能別金融」では銀行法や保険業法といった主体別の法律などではとらえきれないフィンテックや証券化といった機能別の金融について扱っています。

目次

序章  何が問題なのか 第Ⅰ部 各経済主体と金融
第1章 金融のプレーヤーと金融市場
第2章 家計の金融
第3章 企業と金融
第4章 預金取扱金融機関と金融 
5章 機関投資家と金融
6章 コーポレートガバナンスについて
7章 政府と金融
8章 海外部門と金融
9章 民間非営利団体と金融

第Ⅱ部 中央銀行と政策
10章 中央銀行と金融政策
11章 中央銀行の独立性
12章 中央銀行とプルーデンス政策、新たな役割   

第Ⅲ部 規制と金融                        
13章 金融規制とバーゼル規制
14章 バーゼル規制の進化と貸出

第Ⅳ部 機能別金融                        
第15章 貸出の証券化とその影響
第16章 フィンテックの進展と金融のデジタル化 参考文献
用語集

出版社

国際書院

発行日

2023年6月

著者

高橋智彦(たかはし ともひこ)
拓殖大学政経学部教授
筑波大学経営・政策科学研究科博士後期課程修了 博士(経営学) 専攻 国際金融論、金融論
主要著書:「改正日銀法と中央銀行の独立性」『公共選択の研究』第34号、2000年、pp31-42.、「証券化―新たな使命とリスクの検証」(共著)金融財政事情研究会、川北英隆編著、桑木小恵子、渋谷陽一郎、高橋智彦著、2012年