『ポスト資本主義時代の地域主義 草の根の価値創造の実践』 藍澤 淑雄 (国際学部教授) 共編著 | 大学 | ニュース一覧 | 拓殖大学

『ポスト資本主義時代の地域主義 草の根の価値創造の実践』 藍澤 淑雄 (国際学部教授) 共編著

掲載日:2024年05月22日

ポスト資本主義時代の地域主義 草の根の価値創造の実践

国内外を問わず昨今、生活困窮や環境破壊、紛争や人権侵害が収まる気配を見せません。その背景には、利潤追求を際限なく進める資本主義のグローバルな広まりがあります。本書ではこうした事態にいかに応じれば良いのかの手がかりを探るべく、国内外の草の根の「地域主義」の諸実践を取り上げています。地域の可能性に満ちたリアリティと価値創造の実践から「ポスト資本主義」(資本主義とは異なる原理による体制への移行)時代の「地域主義」のあり方を探ります。

目次

はじめに
 第1章 ポスト資本主義時代における地域主義 (真崎 克彦)
 第2章 「公共」の再審と地域社会―「私」を開き「共」を通じて「公」と向き合う地域社会の実践に向けて(中西 典子)

第一部 協同性に根差したローカル経済
 第3章 地域から掘り起こす新しい「豊かさ」―東日本大震災を経験した福島県二本松市の取り組みから (斎藤 文彦)
 第4章 社会的連帯経済における互酬性の役割―パキスタンのイスラム金融マイクロファイナンス機関・アフワット (高須 直子)
 第5章 加工業者・グループの発展とローカル経済の関わり―タンザニア・モロゴロ州における「混合粥の素」の生産 (加藤(山内)珠比)
 第6章 地域と「共にある」コミュニティ経済振興―ブータン山村の乳業協同組合 (真崎 克彦)

第二部 ローカリゼーションとレジリエンス
 第7章 依存的自立を高めるしなやかなローカリゼーション―国内外のエコビレッジとトランジション運動 (平山 恵)
 第8章 さまよう地域、漂う地域―太平洋島嶼における地域主義の多層性と戦略的依存 (関根 久雄)
 第9章 「取り残された地域」にとっての持続可能な開発目標―インドネシア・西ティモールの事例 (堀江 正伸・森田 良成)

第三部 地域のつながりで育つ子ども
 第10章 地域主義の視点から見た子ども食堂―コロナ禍の青森県における事例からの考察 (平井華代)
 第11章 子どもが紡ぐ社会的結束―ヨルダンの取り組みから (松田 裕美)

第四部 地域と関わり合う教育
 第12章 持続可能な地域づくりへの大学の関わり―茨木中山間地域における取り組みから (秋吉 恵)
 第13章 地域の価値創造への大学のかかわり―館ヶ丘団地における取り組みから (藍澤 淑雄)

おわりに
 第14章 あいだの開発学の可能性―秋田と南アフリカの起業家たちの学び合い (工藤 尚悟)
 第15章 地域主義の意義と可能性―課題を考察する (藍澤 淑雄)

出版社

明石書店

発行日

2024年5月10日

著者

藍澤 淑雄 (あいざわよしお)
1965年新潟県生まれ。拓殖大学国際学部 教授。博士(国際協力学)。
東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程修了。青年海外協力隊員、国際開発センター研究員・主任研究員、秋田大学国際資源学部・国際資源学研究科准教授、拓殖大学国際学部准教授を経て現職。主要業績:『アフリカの零細鉱業をめぐる社会構造―貧困解消に向けたタンザニアの零細鉱業支援のあり方』(単著、日本評論社、2021年)、‘Socio-economic linkage of artisanal and small-scale miners in Tanzania’(Journal of International Development, Vol.1、2019年)、‘Artisanal and small-scale mining as an informal safety net: Evidence from Tanzania’(Journal of International Development, Wiley, Vol.28 No.7、2016年)など。