『渡辺利夫精選著作集(全7巻)』渡辺 利夫(名誉教授・元総長)著

掲載日:2024年11月19日

国際経済学・アジア研究の泰斗・渡辺利夫の著書は、処女作「開発経済学研究」に始まる。吉野作造賞を受賞した「成長のアジア 停滞のアジア」、大平正芳記念賞を受賞した「開発経済学-経済学と現代アジア」、アジア太平洋賞大賞を受賞した「西太平洋の時代」、等々、その貢献は数多くにわたる。さらに、自身が監修する「東アジア長期経済統計(全15巻)」は東アジア各国の長期経済統計をテーマ別にまとめた貴重な大作である。
本著作集はこれら膨大な著作から、主に開発経済学・現代アジア経済論に焦点を絞って編まれた著作集である。
貧困と停滞のアジアから成長のアジアへの軌跡を観察し、アジア研究への新しいモデルをはじめ発展途上国を対象とした幾多の開発モデルを用いてアジアの発展を分析する。また、精神医療「森田療法」を創始した森田正馬、俳人・種田山頭火、尾崎放哉を憶う著者の魂の遍歴は読む者の胸に熱い。
渡辺利夫の思想空間を堪能してください。 本体12,000円~15,000円+税(平均)
A5版上製/500頁(平均)

巻数 表題 内容 発売日
第1巻 アジア地域を俯瞰的に観察するという視点から、さまざまなアジアの発展現象を追求し、これを自分史に重ね合わせた秀作。 2024年11月
私のなかのアジア 成長のアジア 停滞のアジア
(講談社学術文庫、2002年)
私のなかのアジア
(中央公論新社、2004年)
第2巻 整合的で平易な開発経済学のテキスト、ならびに著者の開発経済学の処女作である博士論文。 2024年12月
開発経済学研究 開発経済学入門[第3版]
(東洋経済新報社、2010年)
開発経済学研究
-輸出と国民経済形成
(東洋経済新報社、1978年)
第3巻 「対外従属」「軍部独裁」「財閥支配」の暗鬱な韓国論を克服した渡辺・韓国論の真骨頂 2025年1月
韓国経済研究 現代韓国経済分析
-開発経済学と現代アジア
(勁草書房、1982年)
韓国経済入門
(ちくま学芸文庫、1996年)
第4巻 計画経済から市場経済への転換、社会主義市場経済とは何か、そして「海の中国」から「陸の中国」へと向かう発展ベクトルを戦略化した鄧小平の対外開放路線。 2025年2月
中国経済研究 中国経済は成功するか
(ちくま新書、1998年)
社会主義市場経済の中国
(講談社現代新書、1994年)
毛沢東、鄧小平そして江沢民
第一章・第三章
(東洋経済新報社、1999年)
海の中国
第Ⅲ章・第Ⅳ章
(弘文堂、2001年)
第5巻 経済発展の過程で生まれた東アジア全域を渦巻くダイナミズムについての考察。 2025年4月
アジアのダイナミズム 西太平洋の時代
-アジア新産業国家の政治経済学
(文藝春秋、1989年)
アジア新潮流
-西太平洋のダイナミズムと社会主義
(中公新書、1990年)
アジア経済の構図を読む
-華人ネットワークの時代
(NHKライブラリー、1998年)
第6巻 新時代をどういう精神の構えで迎えたらいいのかと戸惑う国民に私信を与えた福沢諭吉、多彩な政治的経歴をダイナミックに展開した後藤新平の試奏の原像。 2025年5月
福沢諭吉と後藤新平 決定版・脱亜論
-今こそ明治維新のリアリズムに学べ
(有鵬社、2018年)
後藤新平の台湾
-人類もまた生物の一つなり
(中公選書、2021年)
第7巻 神経症を高い文学的才能と結びつけた山頭火、病躯を抱えて引きずる死の影を自由律句に詠いあげたは放哉の評伝。 2025年6月
さまよえる魂 神経症の時代
-わが内なる森田正馬
(文藝春秋ライブラリー、2016年)
放哉と山頭火
-死を生きる
(ちくま書房、2015年)
著書一覧

出版社

勁草書房

発行日

2024年11月から順次発行

著者

渡辺利夫(わたなべ としお)
拓殖大学元総長、元学長。昭和14(1939)年、山梨県甲府市生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。同大学院経済学研究科修了。経済学博士。筑波大学教授、東京工業大学教授を経て拓殖大学に奉職。専門は開発経済学・現代アジア経済論。(公財)オイスカ会長。日本李登輝友の会会長。平成23(2011)年、第27回正論大賞受賞。
著書に「成長のアジア 停滞のアジア」(講談社学術文庫、吉野作造賞)、「開発経済学」(日本評論社、大平正芳記念賞)、「西太平洋の時代」(文藝春秋、アジア・太平洋賞大賞)、「神経症の時代 わが内なる森田正馬」(文春文藝ライブラリー、開高健賞正賞)、「アジアを救った近代日本史講義-戦前のグローバリズムと拓殖大学」(PHP新書)、「放哉と山頭火」(ちくま文庫)、「新 脱亜論」(文春新書)、「士魂 福澤諭吉の真実」(海竜社)、「死生観の時代」(海竜社)、「台湾を築いた明治の日本人」(単行本:産経新聞出版/文庫本:潮書房光人新社)など。