暨南大学外国学院日本語学部に副教授として勤めています

王宝鋒さん

この報告をするにあたり、一つ謝っておかなければならないことがあります。それは、生来筆不精な私ですが、帰国後母校の先生方をはじめ、お世話になった方にまともに連絡も取らなかったことです。たとえいろいろな雑務に追われているとはいえ、一通の手紙、一枚の写真すら送らなかったことはやはり自分としても情けないことです。

ところで、私は2007年3月、拓殖大学大学院言語教育研究科で博士号を取得し、同年9月東京を後にして、家族そろって中国へ引き上げました。そして、翌年の3月から暨南大学外国学院日本語学部(中国広東省広州市石牌キャンパスにある)に副教授として勤めています。

中国において、暨南大学は重点総合大学であると同時に、海外華僑(海外に居住している中国人)にとっては非常に人気の高い大学だとよく言われます。学生の出身地は、中国大陸のみならず世界各地にわたり、在校生4万人の内、海外からの華僑学生と留学生が四割近くを占めています。というわけで、総数300人足らずの日本語学部ではありますが、華僑学生は全学部生の6割強になっています。

ちなみに、私は主に3年生と4年生の授業を担当させてもらっており、精読という科目を中心にやっています。学生たちの真剣な態度や日本語に対する情熱には驚かされます。おかげで、4年生になるまでに、ほとんどの学生が日本語能力試験N1に合格します。母校の恩師が伝授してくださった教授法がよく役立っており、授業もとても楽しくなってきました。

キャンパスで違う皮膚の学生を見かけると外国じゃないかと錯覚することさえもしばしばです。まさに拓大の校歌に謳われている「人種の色と地の境、我が立つ前に差別なし」のように、この暨南大学でもグローバル化がかなり進んでいると感じました。

中国では、「食は広州にあり」とよく言われています。すなわち、食べ物と言えば広州が一番という意味になります。皆さんも是非一度広州へ美食の旅に来てくださいね。ご案内します。

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