中国の安徽理工大学で日本語を教えています

常智利さん(安徽理工大学 日本語教員)

私は2015年4月に拓殖大学言語教育研究科博士前期課程に入学し、日本語教育学専攻を終えたあと、2017年の4月に同研究科の博士後期課程に進み、2021年3月に後期課程を卒業しました。現在は、中国の安徽理工大学で日本語を教えており、「基礎日本語」「日本語の発音」「日中対照言語学」「大学日本語」や「論文指導」などの授業を担当しています。安徽理工大学は安徽省の淮南市にあり、面積は約200万m2ぐらいで、とても広いです。大学では、理工系の学科が多いのですが、外国語の専攻として英語と日本語が挙げられます。また、第二外国語として、ロシア語やフランス語もあります。

時間が経つのは本当に早いものです。今ではコロナの影響で授業形式も大きく変わってきて、オンライン授業や混合形式(「オンライン+教室」)の授業などといった授業形式をよく使用しています。また、青年教師として、今年は第13回の「外教社杯全国高校外語教学大賽」(外国語授業コンテスト)に参加したり、安徽理工大学で行われる授業コンテストに参加したりしました。授業経験がまだまだ浅いのですが、勉強しながら頑張っていこうと思います。

「学びて然(しか)る後に足らざるを知り、教えて然る後に困(くる)しむを知る」。実際に教壇に立って初めて、教える方法の大切さをしみじみに感じさせられます。私は、博士前期課程や博士後期課程の時のメモを常にそばに置いて、分からないことがあったらそこからヒントをもらうことが少なくないです。特に石川守先生の直接法、遠藤裕子先生の語彙論、木村政康先生の音声学、阿久津智先生の文字・表記論の授業で学んだことは、非常に役に立っています。また、小林孝郎先生から学んだ論文の書き方や表現の仕方なども、現在の「論文指導」の授業には大変大きな役を果たしています。今この報告書を書きながらも、先生方の授業中の姿が頭に浮かんできて、とても懐かしいです。

また、コロナの影響を受けているにも関わらず、学生たちに将来の進路を聞いたら、やはり「日本へ留学したい」という声が絶えず聞こえます。私も授業をするとき、学生たちに留学についてのことをよく紹介しています。「いつか、学生たちの夢が実現できるといいなあ」と思いながら、「いつか、コロナが消えたら、また日本へ行って、再び先生方にお会いすることができたらいいなあ」と、心待ちにしています。

20221025_photo01.JPG授業風景