日本のゲーム業界で言語品質管理等に携わっています

郝 宇(カク ウ)さん(株式会社セガ ローカライズチーム・中国語簡体字担当)

2017年3月に言語教育研究科日本語教育学専攻の修士号を取得した後、諸先輩方や同級生のみんなと違い、日本語教育の現場ではなく、ゲーム業界に就職することを選びました。2018年から現在までに、株式会社セガやKLab株式会社の2社を経験し、主にモバイル/PC/家庭用ゲームのローカライズや言語品質管理等に携わってきました。

自分は20139月に、拓殖大学留学生別科秋入学の第一期生として入学しました。入学後、迷いながらも先生方の親切なご指導と日々勉学に励む同級生(ライバル)たちの刺激により、進むべき道を見つけ、20154月に、拓殖大学大学院言語教育研究科博士前期課程日本語教育学専攻への進学を果たしました。博士前期課程では、言語教育が果たすべき役割として、言葉を教えることにとどまらず、言葉が内包する文化的現象やその背後にある情緒的メッセージ等も学習者に伝えるべきと考え、サブカルチャーコンテンツを活用した新たな教授法を試み、指導教員の小林孝郎教授をはじめとする先生方のご指導・ご鞭撻やアンケート調査・実験的授業に協力してくれた別科生のおかげで、論文をまとめることに成功しました。心より感謝を申し上げます。

思い返せば、博士前期課程の2年間は見識を深め、視野を広げ、人格を磨き、収穫多き二年間でした。小林先生のゼミでみんなと活発な議論を交わし、各自の研究テーマを推敲し合ったこと、石川守先生の授業で日本語をまったく知らない生徒に日本語を教える際、「つかみ」のやり方を教えていただいたこと、遠藤裕子先生の授業でメタファー・メトニミーなどの適切な用例について、考えを巡らせたこと等々、昨日の出来事のように鮮明に覚えています。これらはすべて自分にとってかけがえのない宝物で、これからも大切にしていきたいと思います。

目下、中国の相互翻訳能力検定試験(CATTI)二級以上の合格を目指し、試験勉強を頑張っています。最終的に、高度な翻訳能力を養い、非常に複雑な文書も扱え、洗練された文を訳出できるような水準に達するのが目標です。何処にいっても何時になっても、初心を忘れず、常に探求心を持ち、日本に興味を抱き、日本語を知ろうとする人々と会い、日本のことや日本語の楽しさをシェアし、でき得る範囲内で人の役に立ち、素朴な疑問や要望などに応えられるような人になれればと思います。

20230302_01.jpg所属企業で