中国の高校で日本語を教えています

潘礼国さん・唐玲娜さん

私は2013年3月に拓殖大学大学院 言語教育研究科 博士前期課程 日本語教育学専攻を修了しました。2013年4月から3年間、外国人技能実習生を受け入れ、人員不足の日本企業に派遣する組合に勤めました。そこで日本に初上陸する外国人技能実習生達に日本語および日本のルールとマナーを教えていました。2017年4月、実家の事情で帰国することにし、私の13年間の日本生活を終わりにしました。

帰国後、日本語に関する仕事をするために、青島にある国際貿易会社に2年間勤めましたが、2020年に感染爆発したコロナウイルスの影響で、青島から故郷の日照市に戻りました。偶然のきっかけで言語教育研究科の1年後輩の唐 玲娜さんと再会しました。それは日本語教育の道へ戻るきっかけとなりました。

唐さんは帰国後、ずっと日本語教育の道から離れておらず、再会した時は、すでに人材を派遣する送り出し機関(北京走出趣科技発展有限公司)の日本事業部責任者として3年間勤めていました。そして、会社は日本へ技能実習生、留学生、高級人材を派遣する事業以外に、中国の高校日本語教育事業にも力を入れているから、力になってもらえないかと聞かれ、新大陸を発見したようにわくわくしてきて、唐さんからの誘いを躊躇することなくお受けしました。

現在、中国では、大学へ進学するための全国統一試験の外国語科目は、昔の英語1科目から、日本語、ロシア語を加えた3科目の中から自分の得意な言語を一つ選ぶことができるようになって、英語が苦手な生徒達に希望を与えました。全国各地の高校は続々と日本語科目を増設し始めました。高校日本語教師が大変不足しているのが今の現状です。我々の仕事は、日本語能力を有する人を集めて、日本語教育に関わる専門的な研修を企画し、実行させ、学校に必要とされる日本語教育の即戦力になってもらうことであります。

もちろん学校での授業経験も不可欠のため、私は今、日照市香河実験学校で高校1年生に日本語を教えており、唐さんは日照市山海高級中学で高校2年生の日本語を担当しています。高校の日本語教育は留学生等への日本語教育と違います。後者は日本語能力試験か日本での生活や就職が目的で、前者は全国統一大学入学試験を目的とします。それに、高校に入って、英語から日本語に切り替える1年生以外に、2年、3年になってから、英語の成績が望み通りに伸びず、やはり日本語にしようとする生徒もいます。そうなると、時間不足は当然の問題です。クラスを分けて授業するのはもちろん、教科書や教授法の選択にも関わってきます。中国では全国統一大学入学試験の変革に伴い、日本語教授法に新たな課題が生まれました。我々は今、言研で先生達が教えてくださった教授法を一生懸命に思い出しながら、それに基づいて現状に相応しい教授法を研究して、徐々に前へ進んでおります。(潘礼国)

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授業風景(潘礼国さん)

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授業風景(潘礼国さん)

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授業風景(唐玲娜さん)

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授業風景(唐玲娜さん)