日本語学校で校長をしています

藤野康雅さん

私が日本語教育に興味を持ったのは自身が留学して、英語を教わる中で、語学教師を見て「様々な国の人と関われていいな。日本語を教える仕事なら自分もできるかもしれない。」と思ったのがきっかけでした。それから帰国して、日本語教育養成機関で420時間の講座を受け、日本語教師として働き始めました。それまでは全くこの仕事のことを知りませんでしたが、続けるうち、日本語教師は日本にいながらさまざまな国の習慣や文化を知ることができる楽しい仕事だと感じるようになりました。

日本語教師を始めて3年ぐらいすると「日本語」の深さを改めて強く感じて、もっと学習したいという意欲が湧き、拓殖大学院の言語教育研究科日本語教育学専攻に入学しました。私は日本語教師を続けながら、大学院の講義に出ていたのですが、日本語教育学専攻の講義は多岐にわたり、改めて知る文法の奥深さや、日本語学習者向けの教科書研究、身振り手振りを使った発声の方法など、学校で教えていること、実践につながるところが多く、日本語教師として授業をする上で非常に役立つ講義を受けることができました。

そしてもう一つ良かったのは仲間が多くできたことです。ともに語り励ます仲間ができ、濃い時間を過ごすことができました。仲間とは今でも連絡を取り合い、それぞれの場で活躍している様子を聞いています。

博士前期課程では、阿久津先生に自身が研究したい文法項目についての論文作成を丁寧にご指導いただきました。実は、私は実際に教壇に立つほうが好きで、研究は苦手だと感じていたところもあったのですが、今現在は研究に目を向けることが、実践の日本語教育に対しても非常に有益なことだと感じています。養成機関での講座のみならず、大学院で学んだことにより、知識と自信をつけることができて、大学院に入って本当に良かったなと思います。

その後は東京上野日本語学院という日本語学校の立ち上げに携わり、今はそこで校長として働いています。まだ校長になったばかりで慣れないことも多く、自分の担当している学生だけでなく、学校全体を見ることの難しさを感じています。現在はコロナ禍で日本語学校が厳しい状況でありますが、この状況になんとか耐えて今後周りの方々にいろいろ教えていただきながら、精進していきたいです。よろしければぜひ学校へも足を運んでください。

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学位記授与式の際の記念写真

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東京上野日本語学院の卒業式にて