拓殖大学の教職課程における教員養成の理念と目的
拓殖大学は「積極進取の気概とあらゆる民族から敬慕されるに値する教養と品格を具えた有為の人材の育成」という建学の理念を掲げて、教育目標である、国際性、専門性、人間性を備えた人材の育成に努めてきました。現在、これを具現化して、「学生一人ひとりが国際的な視野を持ち、国内外の人々と協働して積極的に問題の発見と解決にチャレンジしていくタフな人間力を身につけたグローバル人材(『拓殖人材』)」の育成に取り組んでいます。
本学の教職課程における教員養成の理念は、建学の理念と軌を一にしており、国際社会に生きる一人の国民として主体的に行動し、持続可能な社会の創り手として貢献することができる人材の育成にあります。そのうえで、専門的な知識を身に付け、多様な人々と協働して課題の発見と解決ができ、生徒・保護者・地域社会から信頼され尊敬される教員を養成することこそが、本学の教員養成の目標であり、使命であると考えます。
そこで、目標を次の3つに柱立てして、全学的な協力・指導体制の下、次代を担う生徒たちのため、学校教育が求める教員の養成に全力であたります。
(1) 世界を視野に入れ、多様な他者と協働して問題発見・解決ができる教員の育成
本学の第2代学監で「太平洋の橋とならん」の言で知られる新渡戸稲造が、国際理解と世界平和に尽力してきたことはよく知られています。グローバル化、高度情報化など社会の急速な進展のなかで、本学の教員養成においても国際社会に貢献しうる人材を育成します。地域社会、自国を含めた世界の多様な他者と主体的に関わり、協働して問題に取り組むことのできる教員の養成を目指します。
(2) 教育に熱意と使命感を抱き、心豊かな人間性をそなえた教員の養成
生徒の人格形成を目指す学校教育では、生徒に対する深い愛情や責任感を持ち、教員としての高い倫理観と社会常識を身に付け、温かい心で思いやる包容力を持つ教員が求められます。本学では、これらに加えて、豊かな教養や、「チーム学校」の一員として他者と連携・協働できるコミュニケーション能力をもつ心豊かな教員の養成を目指します。
(3) 高い専門性と実践的な指導力に支えられた、学び続ける教員の養成
生徒のよさや潜在能力を引き出し伸ばしながら、持続可能な社会を切り拓く資質・能力を育成するためには、学習指導、生活指導や学級指導などの場面で具体的かつ効果的な高い指導力が求められます。本学では、そのために必要な専門的知識・技能やそれらを活用した問題発見・解決能力、情報活用能力、「主体的・対話的で深い学び」を実践できる指導力を育成し、「理論と実践の往還」を通して学び続ける教員の養成を目指します。