令和7年度 拓殖大学学長 卒業式告辞

令和8年3月23日 文京キャンパス

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令和8年3月23日 拓殖大学・学長 鈴木昭一

卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。保護者の皆様を初め御家族や関係の皆様にも心よりお祝い申し上げます。
本日この式には、商学部、政経学部の皆さんとともに別科日本語教育課程を修了される皆さんも臨んでおられます。別科の皆さんは日本語を中心に日本の文化や社会を学んでこられました。また、学部においても多くの留学生の皆さんが日本人学生とともに専門分野を学んでこられました。異国の地で学び続けた皆さんの努力と勇気に特に深い敬意を表します。
本日晴れて卒業、修了の日を迎えられたことは誠に喜ばしい限りです。このよき日に当たり、私から皆さんへの心ばかりのメッセージをお送りさせていただきます。
皆さんが大学の門をくぐった頃、世界はコロナ禍の混乱をようやく乗り越え、社会が再び動き始めていました。しかし、平穏を取り戻したかに見えた世界は新たな激動の時代へと入っていきました。ロシアによるウクライナ侵攻は長期化し、中東情勢も緊迫の度を増しています。国際秩序が揺らぎ、自国の利益を優先する動きが各地で強まる中、他国間の連携や対話の大切さが改めて問われています。
加えて、気候変動による自然災害の頻発、そして、人工知能、生成AIの急速な台頭と社会の構造そのものを揺るがすような変化がこの数年間に相次いで起きました。さらに、アメリカでは自国第一主義を掲げる政権が復活し、関税問題を初めとする経済的な分断の動きが世界に広がっています。
国際社会が協調してきたこれまでの枠組みが問い直されている今、皆さんが学んできた商学、法学、政治学、経済学の知識と視点はこれまで以上に重要な意味を持つものと言えるでしょう。皆さんの大学生活はまさにそのような時代の真っただ中にありました。
中でも生成AIの登場は社会に大きな衝撃をもたらしました。文章を書き、絵を描き、プログラムを組む、かつては人間だけに可能とされてきた知的な作業の多くをAIが担えるようになりつつあります。皆さんが学ばれた分野においても、AIによるデータ分析、政策立案支援、マーケティング戦略の自動化など、その影響は今まさに現実のものとなっています。皆さんの学びの場においても、この技術との向き合い方が問われる場面が少なくなかったのではないでしょうか。
AIは確かに私たちの仕事や生活を大きく変える力を持っています。しかし、同時に忘れてはならないことがあります。AIはあくまで道具であり、それをいかに使いこなし社会に役立てるかを判断するのは常に人間でなければなりません。技術の恩恵を享受しながらもその限界や倫理的な問題に目を向け、批判的かつ主体的に思考する力、この力こそがAI時代を生きる皆さんに求められる最も重要な資質の1つです。AIがいかに発達しようとも、何のために、誰のためにその力を使うのかを問い続けることは人間にしかできない営みです。皆さんにはどうかその問いを忘れずに歩んでいただきたいと思います。
そうした激動の時代にあっても、皆さんは各学部の教育課程において定められた学習要件を見事に修め、学士の称号を得るに至りました。これは皆さんが真摯に学問に取り組み、確かな努力を積み重ねてきたあかしです。中でも言語や文化の壁を越えながら学んできた留学生の皆さんの努力は、並外れた忍耐と勇気の結晶です。その努力に対し心から敬意を表します。
しかしながら、学問とは決して学位を取得した時点で完結するものではありません。とりわけAIの進化によって知識や技術の陳腐化が著しく加速している今日、生涯にわたって学び続ける姿勢はかつてにも増して重要です。大学で培った専門的な知識はもとより、経済や社会の動きを読み解く分析力、数字や事実に基づいて物事を判断する論理的思考力、そして、変化を恐れずに新しいことに挑戦する柔軟な姿勢、これらこそがどのような時代が訪れても皆さんを支える揺るぎない基盤となるはずです。
大学での学びは社会へ出るための準備であると同時に、生涯にわたる学びの出発点でもあります。卒業後も好奇心を失わず、世界の動きに目を向け、自らを磨き続けてください。ぜひ自らの成長を止めることなく主体的に学び続ける姿勢を大切にしてください。

これからの人生は数多くの選択の連続です。皆さんは様々な岐路に立ちながら自分の進むべき方向を決めていかなければなりません。その際には、目の前の状況だけでなく、より広い視野で物事を見詰め、自らの信念に基づいて最善の選択を行ってください。迷いや不安を生じることもあるかもしれませんが、他者の意見を取り入れながらも最終的には自らの意思に責任を持ち、決断した道を信じて歩んでください。その選択が正しかったかどうかは、選んだ後の行動と努力によって決まるものです。選択した道を信じ、粘り強く努力を重ねてください。それによって必ず道は開けるはずです。
皆さんが過ごした大学生活の期間は、変化と不確実性に満ちた時期でした。しかし、その中で皆さんは目まぐるしく変わる環境に適応しながら着実に学びを積み重ねてきました。言語や文化の壁を越えながら学んだ留学生の皆さんも含め、こうした経験はいずれもかけがえのない財産です。今後どのような困難が訪れようとも皆さんはその経験を糧に力強く前進することができると私は確信しています。
今なお世界では紛争や対立が続き、平和が脅かされている地域があります。また、気候変動は待ったなしの地球規模の課題として私たちに深刻な影響をもたらし続けています。経済的な格差の拡大や民主主義への信頼が揺らぐ動きも各国で見られます。こうした複雑な課題が山積する時代だからこそ、皆さんに期待するものは大きいのです。経済や社会の仕組みを深く理解し、政策や企業活動を通じて、より公正で持続可能な社会の実現に力を尽くしてほしいと願っています。
皆さんが学んだ知識と経験は、必ずや社会の役に立つものです。どうか自信を持ってそれぞれの場所で存分に力を発揮してください。そして、皆さんが親しんだ校歌の一節、「人種の色と地の境 我が立つ前に差別なし」にあるように、国籍や文化の違いを超えて互いを尊重し、広い視野を持って行動することをどうか忘れないでください。この精神こそが本学の建学の理念である「積極進取の気概とあらゆる民族から敬慕されるに値する教養と品格」の体現であり、皆さんにもぜひ受け継いでいただきたいものです。

本日をもって皆さんは大学を卒業し、それぞれの道へと歩みを進めます。しかし、拓殖大学はいつでも皆さんの帰りを温かく迎えます。これからの人生において悩みや迷いが生じた際には、どうか母校を思い出し、私たち教職員の下を訪ねてください。留学生の皆さんには、拓殖大学での学びを誇りとしてそれぞれの国と日本との橋渡し役を担っていただけることを心から願っています。皆さんの成長した姿を拝見できる日を私たちは心待ちにしています。
卒業生の皆さんのこれからの人生が実り豊かで幸福に満ちたものであることを心から願っております。
以上、私からの告辞といたします。

令和8年3月24日 八王子国際キャンパス

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令和8年3月24日 拓殖大学・学長 鈴木昭一

卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。保護者の皆様を初め御家族や関係者の皆様にも心よりお祝い申し上げます。
外国語学部、工学部、そして国際学部の皆さんがそれぞれの専門領域において深く学び、本日晴れて学位を取得されたことは誠に喜ばしい限りです。各学部には留学生の皆さんも在籍しており、多くの留学生が日本人学生とともに学んでこられました。このよき日に当たり、私から皆さんへの心ばかりのメッセージを送りたいと思います。
皆さんが大学の門をくぐったとき、世界はコロナ禍の混乱をようやく乗り越え、社会が再び動き始めた時期でした。しかし、平穏を取り戻したかに見えた世界は新たな激動の時代へと入っていきました。ロシアによるウクライナ侵攻は長期化し、中東情勢も緊迫の度を増しています。国際秩序が揺らぎ、自国の利益を優先する動きが各地で強まる中、他国間の連携や対話の大切さが改めて問われています。
加えて、気候変動による自然災害の頻発、そして、人工知能、生成AIの急速な台頭と社会の構造そのものを揺るがすような変化がこの数年間に相次いで起きました。さらに、アメリカでは自国第一主義を掲げる政権が復活し、関税問題を初めとする経済的な分断の動きが世界に広がっています。
国際社会が協調してきたこれまでの枠組みが問い直されている今、皆さんが学んできた知識と視点はこれまで以上に重要な意味を持つものと言えるでしょう。皆さんの大学生活はまさにそのような時代の真っただ中にありました。
中でも生成AIの登場は社会に大きな衝撃をもたらしました。文章を書き、絵を描き、プログラムを組む、かつては人間だけに可能とされてきた知的な作業の多くをAIが担えるようになりつつあります。皆さんが学ばれた分野においても、AIによる翻訳や言語処理の高度化、国際的な情報分析の自動化、そして設計・開発プロセスの変革など、その影響は今まさに現実のものとなっています。皆さんの学びの場においても、この技術との向き合い方が問われる場面が少なくなかったのではないでしょうか。
AIは確かに私たちの仕事や生活を大きく変える力を持っています。しかし、同時に忘れてはならないことがあります。AIはあくまでも道具であり、それをいかに使いこなし社会に役立てるかを判断するのは常に人間でなければなりません。技術の恩恵を享受しながらもその限界や倫理的な問題に目を向け、批判的かつ主体的に思考する力、この力こそがAI時代を生きる皆さんに求められる最も重要な資質の1つです。AIがいかに発達しようとも、何のために、誰のためにその力を使うかを問い続けることは人間にしかできない営みです。皆さんにはどうかその問いを忘れずに歩んでいただきたいと思います。
そうした激動の時代にあっても、皆さんは各学部の教育課程において定められた学習要件を見事に修め、学士の称号を得るに至りました。これは皆さんが真摯に学問に取り組み、確かな努力を積み重ねてきたあかしです。
外国語学部の皆さんは、言語の仕組みと運用能力を深め、他国の文化を尊重し相互理解に導く力を身につけられました。工学部の皆さんは、ものづくりを通じた専門的な知識と技術を習得し、社会と協働できるエンジニア、デザイナーとしての力を養われました。そして、国際学部の皆さんは、基礎知識、コミュニケーション力、実践力の3つの力を磨き、グローバルな課題の発見と解決に向けた専門性を培われました。それぞれの道のりで積み重ねてきた努力に対し心から敬意を表します。
しかしながら、学問とは決して学位を取得した時点で完結するものではありません。とりわけAIの進化によって知識や技術の陳腐化が著しく加速している今日、生涯にわたって学び続ける姿勢はかつてにも増して重要です。言語は生きており、国際情勢は日々変化し、工学技術は加速度的に進歩しています。大学で培った専門的な知識はもとより、他者と深くコミュニケーションを取る力、異なる文化や価値観と向き合う力、そして、技術と人間社会をつなぐ力、これらこそがどのような時代が訪れても皆さんを支える揺るぎない基盤となるはずです。
大学の学びは社会へ出るための準備であると同時に、生涯にわたる学びの出発点でもあります。卒業後も好奇心を失わず、世界の動きに目を向け、自らを磨き続けてください。ぜひ自らの成長を止めることなく主体的に学び続ける姿勢を大切にしてください。

これからの人生は数多くの選択の連続です。新たな環境での挑戦、海外への展開、あるいはさらなる学びの道、皆さんは様々な岐路に立ちながら自分の進むべき方向を決めていかなければなりません。その際には、目の前の状況だけでなく、より広い視野で物事を見詰め、自らの信念に基づいて最善の選択を行ってください。迷いや不安を感じることもあるかもしれませんが、他者の意見を取り入れながらも最終的には自らの意思に責任を持ち、決断した道を信じて歩んでください。その選択が正しかったかどうかは、選んだ後の行動と努力によって決まるものです。選択した道を信じ、粘り強く努力を重ねてください。それによって必ず道は開けるはずです。
皆さんが過ごした大学生活の期間は、変化と不確実性に満ちた時期でした。しかし、その中で皆さんは目まぐるしく変わる環境に適応しながら着実に学びを積み重ねてきました。この経験はかけがえのない財産です。今後どのような困難が訪れようとも皆さんはその経験を糧に力強く前進することができると私は確信しています。
今なお世界では紛争や対立が続き、平和が脅かされている地域があります。また、気候変動は待ったなしの地球規模の課題として私たちに深刻な影響をもたらし続けています。一方で、テクノロジーの力はこれらの課題を解決するための大きな可能性を秘めています。こうした時代だからこそ、外国語や国際関係を学んだ皆さんには世界の人々と言葉と心で深くつながり、対話によって平和の道を切り開く担い手となることを期待しています。
また、工学を学んだ皆さんには、その技術と知見を持って持続可能な社会の実現に貢献してほしいと願っています。皆さんが学んだ知識と経験は、必ずや社会の役に立つものです。どうか自信を持ってそれぞれの場所で存分に力を発揮してください。そして、皆さんが親しんだ校歌の一節、「人種の色と地の境 我が立つ前に差別なし」にあるように、国籍や文化の違いを超えて互いを尊重し、広い視野を持って行動することをどうか忘れないでください。この精神こそが本学の建学の理念である「積極進取の気概とあらゆる民族から敬慕されるに値する教養と品格」の体現であり、皆さんにもぜひ受け継いでいただきたいものです。

本日をもって皆さんは大学を卒業し、それぞれの道へと歩みを進めます。しかし、拓殖大学はいつでも皆さんの来校を温かく迎えます。これからの人生において悩みや迷いが生じた際には、どうか母校を思い出し、私たち教職員の下を訪ねてください。皆さんの成長した姿を拝見できる日を私たちは心待ちにしています。
卒業生の皆さんのこれからの人生が実り豊かで幸福に満ちたものであることを心から願っております。
以上、告辞といたします。

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